2014/10/1
「サンペドロ街駐車禁止をめぐり公聴会、日系人の参加少なく失望、請願書は認められず・・・」これは、1949年5月南加州日本人商業会議所のメモです。そうです、そのころからすでに駐車場をめぐっての戦いは始まっていました。
最近では70年代後半からの開発ラッシュで失われていくリトル東京の駐車場をめぐり、大々的な地域の駐車場調査が行われました。市とリトル東京コミュニティー協議会が中心になって行われた調査報告の結果は「駐車場はリトル東京の数ブロック周辺を含めれば十分有る、ただし駐車する人が見つけられないだけ・・・」との結論、皆が首を傾げました。
本当に数ブロック周辺の駐車場に車を停めて、歩いてリトル東京まで行きますか? まず、ダウンタウンの中心方向では料金は倍増します。 かといって、南へ数ブロック行ったら安全に不安が生じます。 しかし、公的な調査というものは、こうした人的な要素よりも数字が優先するもので、一部の新しい集合住宅の開発もこの数字を根拠に、コミュニティーの駐車場布置要請を巧みにかわして建設に着手しました。(彼等の名誉の為に一言:いずれも法規布置義務以上に駐車場は設けているものの、コミュニティーの要求とはかけ離れて承認せざるを得なかった・・との意味です。)
そこで、4~5年前でしたか、コミュニティーが知恵を出し合って市に要請した事項があります。
まず、(1)のジャッジ・ジョン・アイソ通りの駐車場は最初の各1時間は1ドル、3時間停めても5ドルの駐車場になりました。ジャッジ・ジョン・アイソ通りとファースト・ストリートの北西の角にあるのですが、300台の地下駐車場ですが、地上部分はやけに寂しい公園(的)な広場で、あいかわらず見つけにくい!、入り口さえ見つかれば(笑)大変便利で安い駐車場です。しかし、地元ビジネスの活性化の為ですので「ラーメンを食べて、ブラリと散策」する人を対象、したがって週末も同じ短期使用の料金なので、1日ゆっくりリトル東京で過ごす方には周辺の民間の週末割引き料金をお勧めします。
(2)のメーターについては数年前の時点ではめずらしかったクレジットカードの利用を可能にし、かつParkmobile というスマホ・アプリと連動させ、遠隔で延長料金を支払えるようにしました。(ただし、WiFi 維持の費用がかかるということで、現在はこのスマホ対応はリトル東京では休止にしてます。)
また、クレジットカード利用のためにはプラス・マイナスのキーが設置されており、全額をチャージされないよう、マイナス・キーを押して数字を減らすことができます。)
(3)はここ数ヶ月前から電光掲示板の設置がはじまりました。現在ファースト・ストリートとセカンド・ストリートに一箇所ずつ、しかし正直言って読みにくいのと、市営の駐車場のみのデータを表示しているので、民間の駐車場が加盟しないとあまり利用価値がありませんね。
(4)はこれから、開始予定です。
その他にユニバーサル・パーキングと呼ばれる車を預ける場所と受け取る場所を変えられる「究極のヴァレット駐車」、シャトルバスの運行なども検討されてます。
しかし、皮肉なもので、前々号でお伝えした文化エコ・ディストリクトとしてのリトル東京としては車そのものへの依存を減らさなければいけない・・・といった矛盾、そして地下鉄建設といった究極の駐車場不足・・・1949年も今も変わらず苦しんでいるのが現況です。