2023年 4月号 Issue No.414
南カリフォルニア日系企業協会 会報(月刊)ジェービーエー・ニュース
JBA ウェブサイト www.jba.org も是非ご覧ください。
去る2月11日(土)、商工部会は米日カウンシルと共同で、「在米日系人リーダー訪日プログラム(JALD)」壮行会を、ダウンタウンLAのMiyako Hotel Los Angelesにて開催した。
コロナ禍が明けて、待望の開催となった訪日プログラム
会の開始前から、会場のあちこちで参加者同士が和やかに会話。
2019年の開催以来、コロナ禍で実施が見合わされていた「在米日系人リーダー訪日プログラム」(Japanese American Leadership Delegation Program=JALD)が、今年ついに待望の再開となった。20回目の開催となる同プログラムの壮行会には、全米から選出された日系人リーダーらに加えて、在ロサンゼルス日本国総領事館やプログラムの企画運営を行う米日カウンシル、そしてJBAの関係者らが出席した。
同プログラムは、外務省主催による「日米友好と相互理解の促進」「在米の役割拡大」「日系人リーダーのネットワーク構築」を目的としたプログラム。そのために、毎年アメリカ社会で活躍する日系人リーダーらを全米各地から選出して使節団として日本に派遣し、政府や財界、学術界の要人らと交流を図ってもらっている。※今回の訪日は3月3日~11日に既に実施。日系人リーダーらは東京と静岡を訪れ、各界のリーダーとの懇親、文化交流などを経験してきた。その模様はまた追って、『JBAニュース』にてレポート予定。
米日カウンシル会長や使節団メンバーがスピーチ
持ち前のユーモアも交えながら、今回訪日する日系人リーダーらを激励した小林JBA会長。
壮行会は6時にJAPAN HOUSE Los Angeles館長の海部優子さんの進行でスタート。まず小林弘典JBA会長が登壇し、「コロナ禍の大変な時を抜けて3年ぶりにようやく当プログラムの開催にこぎつけたことを大変うれしく思います。個々の人間一人一人が相手の国をより理解することで、日米相互の理解はより深まると思いますので、ぜひ良い経験をしてきてください」と語った。さらにその後、「縦の糸はあなた 横の糸は私」と歌われる中島みゆきの『糸』の英語バージョンを「大好きな曲」として会場に流し、「信頼と愛こそが、美しい世界を編み上げる糸」と熱いメッセージを参加者らに送った。
要人との会談、文化交流など、使節団に多くのことを経験してきてほしいと期待を示した、スザンヌ米日カウンシル会長兼CEO。
続いて、米日カウンシル会長兼CEOのスザンヌ・バサラさんが挨拶に立ち、昨年10月に東京で行われた米日カウンシルの年次総会に関して、「750人ものゲストが参加し、キャンセル待ちまで発生しました。しかも参加者のうち400人以上がアメリカからの参加者で、講演者の半数近くが女性でした。さらに全体の参加者の4分の1が40歳以下ということで、非常に多様性にあふれたイベントとなりました」と、同総会が大成功に終わったことについて触れた。また、岸田首相をはじめ市民団体、日系人コミュニティー、日本政府関係者、国会議員との会談や交流、さらに文化体験や観光など、今回の使節団が体験する予定のさまざまなプログラムに大きな期待の意を表した。
2020年から3年経って、ようやく日本に行けることに感慨もひとしおの様子だったカルビンさん。
さらに続いて、今回の使節団の一人であるカルビン・テラダさんが登壇。「2020年のJALD使節団として選ばれた我々がようやく日本に行けることになり、今日こうしてメンバー同士、そして皆さんと再会できたことが本当にうれしいです。今回の訪日を終えたら、将来にわたって恩返しをしたいと思っています。それは、米日カウンシルとは何なのか?我々が日米間で持っているつながりは何を意味するのか?を考えることが重要ですし、そういったことを次世代につないでいきたいと思っています」と述べた後、このプログラムに参加できることへの謝意を強調した。
「過去に訪日した日系人リーダーらは皆、日米関係において重要な活動をしている」と話したトムさん。
最後にマイクを手にしたのは、米日カウンシルの創設理事長であるトム・イイノさん。「私の義理の父は、『毎日前向きで、思いやりを持って、与える人になることが大切なんだ』と言いました。そして、これこそが米日カウンシルの信念であり、提供する全てのプログラムがそうあるべきだと思っています」などと話した後、「私がこれだけずっとJALDに関わり続けている理由は、次こそは自分が使節団に選ばれることをまだ待っているからです(笑)」とジョークを飛ばして会場を沸かせ、乾杯の音頭を取った。
参加者全員で、乾杯!
その後、懇親および食事の時間に移り、会場の至る所で歓談の輪が広がった。最後に参加者全員で記念撮影をした後、壮行会は無事終了した。
ドリンクや料理を楽しみながら、思い思いに懇親を楽しむ参加者ら。
最後に全員で記念撮影。
2023年訪日日系人リーダー(敬称略)
- Frederick H.Katayama (Anchor / Content Producer, Reuters News, NY)
- George Kobayashi (President , Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd., IL)
- Jeffrey Koji Moloney (Chief Counsel, Santa Monica Mountain Conservatory, CA)
- Kara Miyagishita (Program Manager, National Park Service, CO)
- Mark Okada (Co-Founder, Sycamore Tree Capital Partners L.P., TX)
- Christine Pilcavage (Managing Director, MIT Japan Program, MA)
- Calvin Terada (Acting Branch Chief, Remedial Cleanup Branch,U.S. Environmental Protection Agency, WA)
- Lori Teranishi (Founder and Principal, iQ360, HI)
- Keita Washington (Commander, U.S. Navy / National Geospatial- Intelligence Agency, VA)
- Audrey Yamamoto (President & Executive Director, Asian Pacific Fund, CA)
去る2/10(金)、不透明感が高い状況が続く米国経済の現状と今後の見通しについてのウェビナーを、三菱UFJ銀行の吉村さんを講師に迎えて開催した。
【講師】吉村晃さん
三菱UFJ銀行
経済調査室ニューヨーク駐在チーフ米国エコノミスト
2001年東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。
07年より経済調査室にて各国・地域の経済・金融分析を担当。
景気の減速局面と深刻な人手不足
吉村さんは最初に、「昨年は金利や為替の動きなど変化が大きい年でした。今もロシア・ウクライナの問題、パンデミックの要因などが複雑に絡み合い、分かりづらい状況が続いています。今の経済がどういう背景で動いているのか、一時的な動きなのか中長期的なものなのかを理解することが重要だと思います。本日のセミナーでは経済の動きに対する私の見方と背景にあるものを解説します」と話し、経済動向に触れた。「米国経済を見る上では、インフレと雇用が鍵となってきます。現状は、今後景気後退に陥るだろうという見方が約6割となっています。ただし、景気後退の定義は曖昧です。米国のGDPがマイナス成長である点だけを見ると、2022年前半はリセッションと捉えられます。ただし、現在、失業率は最低の水準で、個人消費はプラス圏内にあります。つまり、まだ景気後退ではなく、景気の減速局面にあると考えています。米国はパンデミックの落ち込みのあと、大規模な経済対策を行った影響で個人消費がいち早く回復しました。しかし、足元では高インフレのため、実質で見た所得はマイナスの状態です」。
続いて、雇用に関して次のように解説した。「ITセクターなどでのレイオフ急増にもかかわらず、全体の失業者は減少しており、人手不足が続いています。足元では(人材に対する)需要が供給を500万人程度上回っています。その要因は複合的です。パンデミックを契機にシニア層が一気に引退したこと、移民の流入減、新型コロナウイルスにより高齢者から働き盛りの層まで多くの人が亡くなったことなどが挙げられます。こうした供給面の要因はすぐに戻らないため、しばらく人手不足感の強い状態は続くでしょう」。
労働コスト高による企業収益悪化が雇用調整の契機に
さらに働き方の変化に言及し、「リモートワークの普及が一人当たりの労働時間の減少につながっている可能性があります。米国ではパンデミック直後に大幅な人員削減が行われ、離職してしまった人たちが再び仕事に就くモチベーションを失っているとも指摘されています。また、低賃金の仕事ほど人手不足が著しく、前述のように職を支える移民の流入が減っていることも痛手となっています」と述べた。
そして、今後の経済見通しについて、吉村さんは次のように語った。「リセッションに落ちるかどうかは、雇用の見方が重要になってきます。人手不足であり、賃金はなかなか下げられません。労働コストは高止まりし、企業収益が圧迫されていきます。こうした状況が続けば企業は雇用調整を迫られ、失業率は今後上がっていくでしょう。ただし、上がり方自体は潜在的な人手不足もあり、緩やかな上がり方に止まります。また、インフレ率の鈍化ペースも緩やかなものに止まると考えております。このような状況でFRBは金融引き締めスタンスを当面維持し、この間、パンデミックからの回復一巡や利上げの効果累積、家計の過剰貯蓄取り崩しにより、景気減速と労働市場軟化が進みます。そして年後半には雇用や個人消費は減少に転じて景気後退局面となり、FRBは利上げに転じると予想します。ただし、家計債務に過大感はなく、金融危機時と比較して深い景気後退は回避できる見通しです」。
こうして、23年の緩やかな景気後退の後に、24年には緩やかな景気の回復局面を迎えると吉村さんは続けた。
短期的にインフレ圧力は続行
さらに、政治・政策動向の背景にある、現状のバイデン政権の4つの主要経済立法を紹介した。
- 米国救済計画法(American Rescue Plan Act):コロナ経済対策。個人への直接給付、失業保険給付の加算・特例措置の再延長など。
- CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act):先端技術分野・半導体サプライチェーン強化が主眼。
- インフラ投資・雇用法(Infrastructure investment and Jobs Act):老朽化したインフラ整備、EVインフラ投資など。
- インフレ抑制法(Inflation Reduction Act):史上最大の気候変動対策が主眼。
そして、24年秋の大統領選挙については「皆さんも関心を寄せていることと思いますが、候補者が出揃ってくるのは春先以降です。民主党、共和党、いずれの候補者の場合でも、結果は拮抗すると見られています」と語った。
今後の働き方の変化に関しては、「パンデミック後のワークスタイルは、従業員はリモートワークを希望する傾向が強い一方、オフィスへの復帰率も徐々に回復しつつあります。経済全体で見た時に(リモートワークによって)生産性が高まるかは結論が出ていません。今年、どういう形で働き方が変わっていくのかが注目されます」と述べた後、最後に「パンデミック後も、脱炭素化、脱グローバル化などの供給面における構造要因が続く可能性があります。そして、インフレ圧力が中長期的に続くのか、どういった時間軸で低下していくのか、まだ見えないところではありますが、短期的にはインフレ圧力は世界的に高い状態が続くと考えています」と、不透明さが残りながらも当面はインフレが続くという見方を示し、セミナーを締めくくった。
去る2月26日(日)、教育文化部会主催で毎年恒例となっているバイリンガルセミナーを、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のダグラス名誉教授を講師に迎えてオンラインで開催した。
【講師】ダグラス昌子さん
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校アジア・アジアンアメリカン研究学部日本語学科名誉教授。
専門分野は継承日本語の発達、カリキュラムデザイン、リテラシーの発達など。南カリフォルニア大学卒。教育学博士。
就学前の話し言葉とリテラシーの発達
ウェビナー開始時間10時となり、登場したダグラス教授は、「昨日の大嵐と違って晴天で安心しました。今回もウェビナーの講師としてご招待いただき、ありがとうございます。JBAの皆さまには準備の段階からお世話になりました」と挨拶した後、早速、パート1の「幼児期の言語力と就学後の言語力の関係」について解説を始めた。「就学前のお子さんは、家庭でどのような言葉の力を発達させるでしょうか? 答えはオーラル、つまり話し言葉の力と、読み書きの力につながる萌芽的リテラシーの力です。話し言葉は、大人がモデルとなり、大人と対話する中で発達します。二つ目の萌芽的リテラシーは読み書きの力が発達する前の段階の力。これが発達するかしないかで、学校に行った時の読み書きの力が影響を受けることになります」。
そして、ダグラス教授は、親が子どもにどのように接するか、多様な単語を使い、対話をするのか、命令調で一方通行で簡単に話すのかで、子どもの語彙の習得量に差が出ることを紹介した。
次に萌芽期のリテラシーについて説明した。「豊かなリテラシーの環境が家庭にあることが重要です。たとえば、たくさん本がある、大人が本を読むことを楽しむ様子を(子どもが)見る機会がある、大人がメモをしたり、メールを書いたりしているのを(子どもが)見る機会があるといったことです。これらの条件があって萌芽的リテラシーが発達するのです。それによって、書かれているものが話し言葉と同じで意味があるということを子どもは理解できるようになります。そして、萌芽的リテラシーの力がある子どもとない子どもとでは、学校に入って読み書きを学び始めると、差が出てきてしまうのです。この力があると本を読むことにすんなりと入っていくことができます。今、幼児を育てている方は、子どものオーラルの力と萌芽的リテラシーを発達させてください。これらが高いと学校での学びの成功度が高くなります」。
元の木の根っこを強くすれば接木も大きく育つ
二つ目のトピックとして、ダグラス教授はバイリンガルの能力がどのように発達していくかについて取り上げた。「これまではモノリンガルに関するお話でした。では、アメリカに住み、バイリンガルの生活を送っている子どもたちの二つの言語がどのように発達していくかについて話します。実は二つの言語を身に付けるのに2倍の力がかかるわけではないのです。以前は、二つの言語が脳の別々のところに入っていくと考えられていました。しかし、その後の研究では言語能力は一つの場所で育つことが分かったのです。この説を基にカミンズが二言語基底共有説を唱えました」。この説をもとに、ダグラス教授は二言語の発達について説明した。「家庭で日本語を話している子どもの場合、日本語は元の木の部分です。学校に入ったら英語は、その元の木からつながる接木として伸びていきます」。
そして、元の木を強くし、接木を育てる方法として、就学前も就学後も家庭でのサポートが重要だと強調した。「話し言葉の発達のためには、大人が子どもに話しかけることが重要なのですが、どのように話しかければいいでしょうか。ポイントは対話式です。“Look! I painted. ”と子どもが言うと、それに対して大人は“You painted the whole picture by yourself? ”と答えます。つまり、子どもの発話に応える時にその発話をさらに長くし、こんなふうに話せばいいんだよということを教えているのです」。
背骨となる言語と接木として学ぶ英語の関係を示した図。
次にリテラシー発達のサポートに関しては、読み手と聞き手が一緒に考え、話し合う形の対話型読み聞かせが、最も子どもの話への理解力を高め、同時に理解できる語彙の量を増やすと解説した。「対話型読み聞かせによって、子どもを読むという活動に関与させることが重要です」。また、小学4年生になると、それまでの「読むことを学ぶ」ことから「学ぶために読む」という方向転換の時期を迎える。これに関してダグラス教授は「これはよく知られている4年生の壁、9歳の壁と言われるものです。そして、小学4年生の前にも子どもたちは1年生の段階で第一の壁にぶつかります。これは、就学前は読んでもらうことで楽しんでいたのに、急に自分で読まなければならなくなるからです。子どもに、この第一の壁を自分で乗り越えろ、というのは無理な話で、手助けが必要となります。教科書も、内容理解に困難を感じている子どもの場合、対話型読み聞かせで内容を理解させて、学校に送り出すことが重要です」。
バイリンガル・バイリテラシー力を公に認定する方法
最後にダグラス教授は、バイリンガルとバイリテラシーの力を公に認定する方法について解説した。「なぜ認定を受けることが大切かといいますと、二つの言語を勉強してきたことが認められることはご褒美としても素晴らしいですし、就職・教育機関でこの認定を受け入れるところが増えているのです。認定には、カリフォルニア州のSeal of Biliteracy と、もう一つ別のGlobal Seal of Biliteracyとがあり、前者は公立高校のみ、高校卒業時にトランスクリプトに記載されますが、大学に願書を出してから結果が出るので、願書には間に合いません。また州により認定に必要な言語力の基準が違います。Global Seal of Biliteracyは私立高校も対象で、高校4年生に限らず3年生でもGlobal Seal of Biliteracyが公認する日本語のテストの結果と英語力の証明があれば認定され、大学のアプリケーションに間に合います。また、認定基準は州、国の違いがなく同一です。できれば二つもらって卒業してほしいと思います」。
バイリンガル、バイリテラシーの認定を受けるにはどうしたらいいかも、分かりやすく解説。
以上でウェビナーは終了。その後の質疑応答の質問の多さからも、バイリンガルセミナーへのJBA会員の関心の高さが伺える結果となった。
貴社の事業内容について教えてください。
私どもは2001年設立の移民法専門の法律事務所です。扱っているのは就労ビザ、研修ビザ、家族および就労ベースの永住権、再入国許可証や市民権取得など移民法関連全般です。クライアントの99%が日本企業で、個人事業から上場企業までと幅広く、エリアも日本、アメリカ国内でも東はニューヨークから西はハワイまでに広がっています。また、当事務所の特徴は全員が日本語と英語のバイリンガルだということ、日本らしいきめ細かなサービスを強みにしているということです。
ちなみに、最近、駐在員の方が3月に日本に帰任になった後も、帯同のお子さんが学年の区切りとなる6月まで現地に残りたいが残れるだろうかというご相談をよくいただきます。特に卒業などの節目が近い場合は、やはり最後まで学校に残りたいと強く希望されるようです。当事務所では、お電話での相談を初回は無料で受け付けています。
コロナ禍で貴社の事業にはどのような影響が生まれましたか。
コロナ禍では直接的にも間接的にも大きな影響が生まれました。まず、ビザの面での直接的な影響としては、入国制限が課されて(クライアント企業の従業員にとって)国外移動が不自由になる、またビザの面接が一時停止になるなどの事態が発生しました。また、コロナ禍で一時期にエッセンシャルワーカー以外は出勤ができなくなり、クライアント企業が解雇、もしくは自宅待機のような処置を下したことで、多くのご相談を頂きました。
その間もずっと、当事務所としては、刻一刻と変わるコロナ禍中の移民法関連の最新情報をより多くの方々に届けたいと思い、セミナーや記事などを通して発信を続けてきました。
当事務所での働き方に関しては、もともと州外から完全リモートで働いていたスタッフもおり、クライアントもローカルにとどまらないため、不自由なくリモートで仕事できる体制が整ってはいました。よって、コロナ禍を機会にリモートワークが全員に適用されたというイメージで、大きな調整を要さずにスムーズな移行ができたと思います。昨年6月にはオフィス業務を再開しましたので、最近ではクライアントと対面でお会いしてお話をお伺いする機会が、我々の一つの楽しみになっています。
仕事をする上で個人として大切にしている考え方とは?
クライアントの問題を解決したり、ゴールを達成したりするために、私どもがクライアント企業内の「ビザ課」的な存在になるように日々心がけて取り組んでいます。クライアントが何に悩み、何を求めているのかを常に把握し、ソリューションを見出していくことが私どもの優先事項です。そのために常日頃から信頼関係を構築していくことが重要だと思っています。
そのモットーの根底には、米国で活躍する日系企業の皆さまのビザの面での心配を少しでも減らし、ビジネスに集中できるようにとの思いがあります。ご存じのように米国の移民法は頻繁に変わりますし、政権が変わると方向性が一転することも珍しくありません。ですから、一見、移民法とは関係がなさそうなニュースでも、ビザに与える影響があるかもしれないと考え、常にアンテナを立てて情報収集に努めています。
実は私は十代の時に親の仕事の関係で日本からアメリカに渡って来たのですが、必要なビザ取得に1年もかかり、私生活に大きな支障が及びました。ビザ手続きの問題で、大変辛い思いをした経験があることから、自分のクライアントにはそういう思いはしてほしくないという気持ちが常にあります。代表の冨田を含め、弊所のスタッフは全員移民として米国に渡ってきた経験がありますので、それがこの仕事のモチベーションにつながっているのかもしれません。
南カリフォルニアでの余暇の過ごし方について教えてください。
週末は小3の娘の習い事の送迎に追われています(笑)。それでも週末はできるだけリフレッシュする時間を作り、出かけられる時はハイキングを楽しんでいます。おすすめの行き先は、Malibu Creek State Parkです。昔、映画の撮影にも使われた場所で、山、池、巨大な岩、子どもたちがよじ登れるような樹木があり、ロサンゼルスとは思えないほどの大自然が広がっています。また、乾いている時と雨が降った後とでは景観が違って見えるのも魅力です。そこに行く時はいつもお弁当を持参します。
JBAに期待することは?
今後も引き続き、日系のコミュニティーをつなぐ存在でいていただきたいと期待しています。また、コロナ禍の最初の頃、私が講師を務めた移民法に関するセミナーを主催していただき、たくさんの参加者にタイムセンシティブな情報をお届けできたことを、今でもとても感謝しています。あのセミナーが(JBAにとって)初めてのオンラインセミナーだったと記憶しています。
さらにスペシャルゲストに服部道子プロが登場され、お話の中では日本の女子ゴルフ界の層の厚さや今後の期待値の高さを伺うことができました。お話の後には私も子どもと一緒に写真を撮らせていただき、光栄でした。
その後の館内ツアーではRiviera Country Clubの歴史をお話しいただきながら、トロフィーやバックヤード、さらに宿泊施設ではかつてウォルト・ディズニーが宿泊した部屋などを拝見でき、当ゴルフ場の格式の高さや歴史の深さを感じました。解散になった後はきれいな芝生の上を家族で散歩しつつゴルフ観戦しましたが、タイガー・ウッズ選手が予選を突破したことでギャラリーの盛り上がりは昨年以上でした。
適度な歓声の中、ピクニック気分で木陰で軽食を食べることもでき、ゴルフがそこまで分からない子どもにも良いひと時となりました。来年も機会があれば参加したいと考えています。ありがとうございました。
サウスベイ地域部会
「グラスのサイエンス」に参加しての感想文
文:GL Sciences, Inc.・ 今中努志さん
去る2/17(金)、JBAサウスベイ地域部会が開催した「グラスのサイエンス」に参加して、大人になっても「新たな発見」と「感動」を体感できる素晴らしい催しだと感じました。その感動について、少し紹介したいと思います。
場所はRedac Gateway Hotel の Cafe and Barで開催されました。写真のように、カジュアルで、おしゃれなスペースでした。会場には各テーブルにワイングラスが1人に対して5組置かれ、ワインやおつまみが用意されていました。
講師のTomo Matsukumaさんの紹介から始まり、さっそく体験へ。最初に水を使ってグラスの種類を変えてテイスティング開始、ところが、私には、味の違いが? 私の味覚は大丈夫かと心配になりながら、苦笑いをしながらの始まりとなりました。
次に、日本酒を使ったグラスでの試飲から、日本酒用のグラスとワイン用のグラスで味を比べました。「あれ」と思うぐらい、日本酒用のグラスで飲むとおいしく、日本酒の甘味が引き立っているように感じました。一方、赤ワイン用のグラスに変えて飲むと、日本酒の雑味のようなものを強く感じました。グラスを変えただけで味が変わるとは、とても不思議な体験でした。
その後も、白ワイン、赤ワインとワイングラスの飲み比べを続けていきました。また、両隣の方々とテイスティングの意見交換や、互いの経験の共有と、グラスの飲み比べから話題が広がり、皆さんと交流ができて、とても楽しい時間を過ごすことができました。 「グラスのサイエンス」は、昨年までオンラインでの開催だったようですが、今回、対面式での初めての開催となりました。ワインで有名なカリフォルニアをより好きになるような素晴らしい企画だったと思います。
各地域部会
各地域部会で期末懇親報告会を開催しました
文:ダウンタウン/サウスベイ/オレンジカウンティ地域部会
ダウンタウン、サウスベイ、オレンジカウンティ各地域部会は、毎年期末の3月に懇親報告会を実施しています。その年の活動を振り返りつつ会員同士の懇親を深める目的で、各部会ごとに趣向を凝らした企画で開催しています。そして去る3月には2022年度末の期末懇親報告会を、久しぶりにリアルの場で開催しました。
ダウンタウン地域部会は3月10日(金)にダウンタウンLAを一望できるCity Club Los Angelesにて、バフェディナーを楽しみながら1年を振り返る活動報告をした後、参加企業提供による賞品が当たるビンゴゲームなどで盛り上がりました。
サウスベイ地域部会の期末懇親報告会は、3月10日(金)に、レドンドビーチのH.T.Grillで開催。サーモンやショートリブなどの料理に舌鼓を打ちながら、活動報告、企業クイズ、名刺ビンゴと盛りだくさんの内容で、盛況のうちに終了しました。
また、オレンジカウンティ地域部会は、3月3日(金)に、Tustin Ranch Golf Clubにて開催。活動報告の後は、バフェディナーを楽しみながらのラッフルやゲームで大いに盛り上がりました。
地域部会は今年度も引き続き、各地域の皆さまのお役に立てるように積極的に活動を展開していきます。ご支援のほど、よろしくお願い致します。
あさひ学園便り
2022年度 卒園・卒業式と、サンタモニカ校での和太鼓演奏
文:あさひ学園事務局
3月上旬、各校にて2022年度卒園・卒業式を行いました。幼稚部、小学部6年、中学部3年、高等部2年の合計約340名の子どもたちが大きな節目を迎えるに至りました。総領事館からは、4名の領事・副領事にご臨席いただき、祝辞を頂戴し、子どもたちが巣立っていく姿を見守っていただきました。
式典で歌われる本校の校歌にも長い歴史があります。行事ごとに歌ってきた校歌に見送られながら、卒業生は皆、卒業証書を胸に目を輝かせていました。特に高等部卒業生は、あさひ学園を本当に巣立っていく希望と喜びに満ち溢れていました。中には幼稚部から12年間通った生徒も多く、感慨深げでした。
オレンジ校にて、在ロサンゼルス日本国総領事館の市川領事からの祝辞の様子。
オレンジ校にて、卒業生が集まって記念写真。
卒業式の前週となる3月4日(土)には、前祝いとしてサンタモニカ校またオレンジ校において、父母の会から、岐阜県恵那市出身の和太鼓演奏者、加藤拓三さん家族が招聘されました。ダイナミックな和太鼓演奏に感動することはもちろん、加藤さんのお子様が本校に就学する子どもたちと同じ年齢ということもあり、バチさばきやリズムに乗る演奏は大好評でした。
加藤さんご家族は、5年間で全米1000回の和太鼓演奏をするという壮大なプロジェクトの真っ最中とのこと。サンタモニカ校では第177回目、オレンジ校では178回目の演奏だそうです。児童・生徒たちは和太鼓の重厚で深遠な音色に聴き入り、日本の歴史と文化、そして日本人の心を感じることができる素晴らしい演奏会となりました。
2023年の新年度は、4月8日(土)に始業式、翌週15日には入園・入学式を行います。今回幼稚部を卒園した子どもたちの多くは4月からは本校小学部新1年生として新しいスタートを迎えます。また小学6年を卒業した児童は、新たに中学部1年となって入学します。子どもたちが充実した学校生活を送れるよう、補習授業校として最大のサポートを行っていきます。また年間を通して、どの学年でも編入を受け入れていますので、入学にご興味のある方は事務局までお尋ねください。
全米1000回の和太鼓演奏に挑戦中の加藤拓三さん家族。
加藤さん家族を囲んでの記念写真。
日系コミュニティーの一員として、会員企業さまや地域の皆さまと交流を深めたく、JBAへ入会致しました。
椿原慎二さん
Fuji Shoko America, Inc.
– – – – –
住所:18012 Cowan, Suite 208, Irvine, CA 92612
TEL: 949- 878-3880
Web:https://fujishoko-america.com
責任者:椿原慎二(General Manager)
– – – – –
FujiShoko America, Inc. は、埼玉県戸田市に本社を置く富士商興株式会社の子会社である。1967年より、印刷やコーティング用のドクターブレードのパイオニアとして製造、開発を行っており、飲食品、日用品のパッケージ印刷や電子部品のコーティングなどの用途で生かされている。近年では工業用刃物や周辺副資材の取り扱いも行い、より広い分野で製造現場をサポートすべく取り組んでいる。
南カリフォルニアで事業展開をされている日系企業の方々との交流、情報交換の機会を頂ければと存じ入会させていただきました。どうぞよろしくお願い致します。
山本裕樹さん
HUF Worldwide
– – – – –
住所:420 Boyd St., Los Angeles, CA 90013
TEL: 323-264-8656
責任者:山本裕樹 (CFO)
従業員数:62名
他の営業拠点:サンフランシスコ店、ロサンゼルス店(Fairfax店)
– – – – –
レジェンドスケーターのキース・ハフナゲルが2002年にオープンしたセレクトショップのオリジナルブランドとしてスタート。スケートとストリートのカルチャーをベースに、独自のスタイルやアート感をプロダクトに落とし込んだライフスタイルブランド。2017年にTSIホールディングスが買収し日系企業に。現在では米・欧・日を中心に30カ国以上でグローバルにビジネスを展開している。
JBA加盟企業であるPATLITE (U.S.A.) Corporationから独立し、新会社としてスタートを切りました。JBAを通じて、当地における日系企業さまと関わりを持てることに期待をしております。
石井俊明さん
Inaba Denko America Inc.
– – – – –
住所:19750 S. Vermont Ave., Suite140, Torrance, CA 90502
TEL: 310-943-7520
Web:https://inabadenko-america.com
責任者:石井俊明(Executive Vice President)
従業員数:7名
– – – – –
Inaba Denko America Inc.は大阪に本社を置く因幡電機産業の子会社として2022年に設立され、北米のHVACディストリビューターに対して、空調関連部材の販売を行っている。米国における日本式空調システムの需要拡大に伴い、弊社製品ラインナップも、冷媒用被覆銅管、配管化粧カバー、ドレインホース、樹脂/金属ブラケット等、多岐にわたる市場ニーズに対応している。幅広く市場にリーチできるように、AHR EXPO等、年6回の展示会への出展に加えて、ソーシャルメディアやEメールを活用したデジタルマーケティングにも力を入れている。