JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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3/1(Fri) | 商工部会:世界貿易センター機構ロサンゼルスから JBA 企業へのメッセージ

JBAの協力団体の一つであるLAEDC(ロサンゼルス郡経済開発公社)の傘下機構、WTCLA(世界貿易センター機構ロサンゼルス)は、ロサンゼルスに海外からの直接投資を誘致すべく、さまざまな活動を行っている。そんなWTCLAから、JBA会員企業に同機構が提供するサービスをもっと利用してほしい、という旨のメッセージをいただいた。

スティーブン・チャン氏

今回のメッセージを執筆した、WTCLAプレジデントのスティーブン・チャン氏。※翻訳はJBA商工部会。

 

JBA会員企業の皆様へ

私たちWTCLA(World Trade Center Los Angeles=世界貿易センター機構ロサンゼルス)は、本メッセージが一社でも多くのJBA会員企業の皆様の元に届くことを心より願っております。ご存じの通り、日本はロサンゼルス郡のみならず、南カリフォルニアへの国別海外直接投資額において過去3年連続で1位となっています(2015、16、17年度。WTCLAによる「Foreign Direct Investment in Southern California(海外直接投資報告書)」より)。WTCLAと LAEDC (Los Angeles Economic Development Corporation=ロサンゼルス郡経済開発公社。WTCLAはLAEDCの傘下)は、日系企業と南カリフォルニアが過去数十年間にわたって培ってきた、経済における強い絆と相互利益の関係を大変誇りに思っています。今回は、WTCLAと日系企業の関係をより強固なものにすべく、我々が皆様にどのような貢献をできるかを、改めてお伝えさせていただきたいと思います。

 

WTCLAについて

WTCLAは、海外からの直接投資をロサンゼルス地域に誘致し、当地における国際企業のビジネスチャンスを広げることを目的に、さまざまな形で「海外直接投資誘致プログラム」を実施している非営利団体です。支援の対象となるのは、主に以下のような企業となります。
(1) 事業開始、または拡大を目指している国際企業
(2) 国際市場への製品やサービスの輸出を求める地元企業

 

「海外直接投資誘致プログラム」の具体的な内容

WTCLAはLAEDCの傘下機構として創設されて以来、4年間で当地に進出する国際企業にサービスを提供する非営利団体の代表的な存在へと成長しました。WTCLAのコアコンピタンスは、「ロサンゼルス郡でのビジネス開始を模索、または拡大しようとしている国際企業へのビジネス支援能力」です。そして、提供する主なサービスは、「コンサルティング」「仲介」「リサーチ」「諸手続きのサポート」などで、以下の3つの柱から成り立っています。

(1) 誘致:我々は当プログラムを通じて、米国での事業開始または拡大を目指す国際企業のロサンゼルス誘致を図っています。ロサンゼルスの多様性溢れる経済環境をさらに強化すべく、 マーケティング活動、現場出張サービスなどを通して、国際企業の誘致に力を入れています。 また、国際貿易誘致使節団を海外に派遣し、特定の分野における主要海外企業に、ロサンゼルスにおいて事業を成功させるための情報や指針を提供しています。

(2) 教育:WTCLAは国際企業へのコンサルテーションなどを通して、ロサンゼルスにおいてビジネスを成功させる方法を伝授します。 また、海外の企業がロサンゼルス、さらには米国の市場に参入する際に必要となる現地不動産、事業法、移民法、税金、行政手続きおよび規制、政治問題に関する情報と見解を提供します。 その他、ロサンゼルスの現地企業が提供する商品やサービスを世界市場へ輸出する支援も行っています。

(3) 仲介:WTCLAは国際企業と現地経済界のリーダー、専門家、行政機関などとの仲介を行います。例えば、法律、会計、不動産、財務、移民、コンサルティング、人事などにおける専門家や政府担当者などとの仲介を行うことが可能です。

 

輸出の促進

ロサンゼルスは米国最大の国際貿易の拠点であり、2017年度、ロサンゼルス税関地区における貿易額は総額4300億ドルを超えました。同地において、企業は確立された貿易インフラを利用することができます。そんな中、 WTCLAは、ロサンゼルスの現地企業が同地で適切な行政支援プログラムを見つけ、製品やサービスをグローバル市場に輸出することを支援するために、多数の輸出関連プログラムと緊密に連携しています。

 

海外からの使節団受け入れ

WTCLAは世界中の国からロサンゼルスへの使節団を受け入れ、それぞれの使節団のニーズや目的に合わせて、コンテンツ(投資対象の産業等)の調整をします。また、使節団の過去の投資実績に見合ったサービスを事業計画に合わせて提供するほか、ロサンゼルスでビジネスを行うメリットに関するプレゼンテーションを実施し、それぞれの企業の目的に合わせた仲介サービスも提供します。ちなみに、我々は当地での雇用創出につながるビジネスに重点を置いているため、政府職員で構成された使節団よりも、企業の使節団の受け入れをより重視しています。

 

支援実績例

♦ トリチウム(Tritium)
WTCLAが国際中小企業にどう役立てるかの一例として、オーストラリアの電気自動車充電ステーション製造業者であるトリチウムへの支援があります。オーストラリアのブリスベンで2001年に設立されたトリチウムは、e-モビリティー技術の開発を専門としています。同社は、電気自動車用の世界最小のDC高速充電器である「Veefil-RT」の開発と販売に成功した後、市場の多様化を図ってきました。そして2015年、米国内の主要ルートに「Veefil-RT」を設置する世界最大かつ最もオープンな電気自動車充電ネットワークであるChargePointと、大規模な契約を締結しました。需要が増加していく中、トリチウムは米国内における子会社設立の方法に関する情報を探していました。そして、彼らが最初に連絡をしたのがWTCLAです。さまざまなコンサルティングや会議を通じて、業界、行政機関に関する知識を得た彼らは、トーランスに最初の海外事業所を設立しました。WTCLAが不動産代理店を紹介して物件探しをサポートしたり、トーランス市行政関係者との会合を仲介したりしたこともあり、同社はこの事業所兼・軽工業施設の設置をわずか8カ月で完了させることができました。

2017年にオープンしたこの施設は、現地雇用者を中心に、テクニカルサポート、組立、製造、研究開発の拠点になりました。結果、トリチウムは世界的なプレゼンスを拡大しただけでなく、米国における資金調達、業務提携を容易にし、同地での大きな市場シェアを獲得するに至ったのです。2018年3月にはアメリカの電気バス製造業者Proterraから57台の注文を受注。さらに同年9月には、米国連邦政府からElectric Power Research Institute(EPRI)に授与された資金320万ドルの一部を獲得するなどビジネスは順調で、WTCLAは現在、トリチウムの現地雇用者の拡大に協力しているところです。

♦ ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)
WTCLAは、ロサンゼルスにおける海外大企業の成功にも寄与しています。ドイツ企業であるドイツ鉄道は、米国におけるプレゼンスを拡大し、同社の専門知識を生かせる大規模プロジェクトを推進できる拠点の設置を検討していました。同社の国際事業部トップは、政府公共事業が資金提供するインフラプロジェクトの契約責任者との仲介と、政治情勢などの情報を求めて、WTCLAにやってきました。ロサンゼルスが現在、向こう数十年にわたる公共交通機関のインフラプロジェクトに約1200億ドルを費やす予定であることを鑑みて、ドイツ鉄道はその事業契約を勝ち取ることに強く興味を抱いていました。

WTCLAは2017年にエリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長(前ロサンゼルス郡都市圏交通局理事会会長)と共に使節団を率いてベルリンへ出向き、ドイツ鉄道の幹部と会合をしました。我々はドイツ鉄道の幹部に対して州政府および地方自治体行政機関の入り組んだ関係、ロサンゼルス郡交通局の入札審査の複雑な工程について説明しました。また、UCLA、USCを含む地元の教育機関やさまざまなサービス提供会社との仲介をすることで、同社をサポートしました。

その後、同社はロサンゼルスに拠点を置き、ロサンゼルス郡の公共政策である「メジャーM法」により進められる公共交通プロジェクトに取り組むこととなり、カリフォルニア高速鉄道局との3000万ドルの契約を勝ち取りました。本例は、WTCLAがトップレベルの企業戦略を支援できるだけでなく、地方政府および州政府との交渉を助けるための高度な能力も有していることを如実に示しています。

 

「Foreign Direct Investment Report」について

WTCLAは、南カリフォルニアを構成する6つの郡(ロサンゼルス、サンディエゴ、オレンジ、ベンチュラ、サンバナディーノ、リバーサイド)における外資系企業(FOEs)の影響を、過去数年にわたって調査し、レポートにしてきました。この分野における他にない先駆者として発行したこのレポートは、海外からの投資活動がその投資額のみならずロサンゼルス郡経済全体に与える大きな影響についても明らかにしてきました。また、JBAにもこのレポートの実現に大きく寄与していただいています。

 

「Select LA Investment Summit」について

WTCLAとLAEDCは、共同で「Select LA Investment Summit」(ロサンゼルス投資サミット)を毎年主催。国際企業や現地企業のリーダーによるテーブルブースの出展、1対1の交流、各業界のリーダーたちによる評論討論会などを通して、国際投資家と現地の企業との交流を支援してきました。「Select LA Investment Summit」では、我々が得意とする仲介や交流プログラムを通じ、人と人とのつながりを広げ、出会いを投資の機会に変える環境作りを進めています。現地の人と信頼関係を築き、現地の仕組みや規定を理解することが、当地における事業成功の秘訣です。ですから、国際投資家の取り引きを確実に成功させるべく、民間企業の重要人物はもちろん、州政府および地方政府関係者も集めています。また、毎年多くのJBA会員企業にも参加いただいています。

以上、長文となりましたが、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。お問い合わせはもちろん、不明点やご質問などありましたら、ぜひ下記連絡先までお問い合わせください。皆様のビジネスが速やかに実行され、成功されることを心から願っております。

 

問い合わせ先(英語)
World Trade Center Los Angeles(WTCLA)
担当者: Stephen Cheung / President
E-mail: Stephen.cheung@laedc.org
住所: 444 S. Flower St, 37th Floor (CitiGroup Bldg), Los Angeles, CA 90071

問い合わせ先(日本語)
Japan Business Association of Southern California(JBA)
担当者: 商工部会副部会長:酒井紀幸
E-mail: nsakai@pdmcpas.com
住所: 1411 W. 190th St., #220, Gardena, CA 90248

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