1969年ニューヨーク州生まれ。3歳の時に日本に移住。南イリノイ州立大学ビジネス学部を卒業後、帰国しSony Plaza社に勤務。96年に再渡米し、98年サッポロUSAに入社。2011〜13年は別会社勤務を経て、14年にサッポロUSAに再入社。
祖父が外国と商売をしていた関係で、父も外国の人と接する機会が多く、アメリカで学び働いていました。私も父の仕事の関係で幼少期から外国の人と会うことが多く、同じようにアメリカで学びたいと憧れを抱いていました。そして高校卒業後に南イリノイ州立大学に進学。卒業後はアメリカの会社で働きたいと思っていたものの、残念ながら就職先が見つからず、帰国して93年に若い女性向けの輸入雑貨や食品、衣類などを扱うSony Plaza(現PLAZA)に入社しました。楽しい日々でしたが、アメリカで再度学び、働いてみたいという気持ちが次第に強くなり、96年、何の保証もないのに会社を辞めて再渡米しました。
LAの学校でビジネスを専攻した後、98年に縁があってサッポロUSAに営業として入社。ビール好きであることに加え、仕事を通して多くの方に会え、とても面白い仕事だと思いました。時にはうまくいかないこともありましたが、最初厳しかった方が何度も通ううちに理解してくださり、当社のビールを扱ってくださるようになるなど喜ばしいこともありました。こうした人との出会いは一期一会で、いつも神秘的だと感じます。
入社4年目の2002年、日系市場の営業から米系市場の担当へ異動となりました。この変化は私にとって大きな意味を持ちました。日系と米系の卸しさんではビジネスのマインドも文化も違うことを知るなど、学びの連続でした。また当社のビールは日系市場では普及していますが、米系市場を見ると日系ビール大手3社合計でも全体の1%以下の売上です。まだまだ日本のビールは売れていませんし、つまりそれだけ伸びしろがあるということに気付きました。
米系レストランに飛び込み営業をすると、「日本食は置いていないから」と断られることが大半ですが、日本のビールだからといってアメリカの食事に合わないわけではありません。そうした時はアメリカの食事とのペアリングをしてもらい、まず固定観念を外すところから始めます。当社のビールは日本食と一緒に飲んでいただくのがコアですが、その頃から、日本食以外とも一緒に楽しんでいただけるビールにしたいという思いが芽生えたのです。
11年には日本酒輸入会社の知人から、日本の地ビールのアメリカでのブランド立ち上げを頼まれ転職。小さな村で水にも原料にもこだわって造られたビールでしたので、ストーリーを大切にしながら、デザインからマーケティングまで関わりました。わずか3年関わっただけですが、着実に取り扱いが増え、大きなやりがいがありました。
その後14年にサッポロUSAから再び声をかけてもらい、悩んだ末に新しいチャレンジに惹かれて再入社。西海岸の日系営業チームの統括を担当することになりました。かつて在籍していた時との違いは、日系市場が飽和状態にあることから、日系担当がアジア系市場も担当するようになったことです。3年前からは全米、メキシコの日系 & アジア系市場も統括をしています。
アメリカは都市によって市場性が異なります。現場の営業と共に多くの人と会い、その地域に合ったニーズを見つけていく作業が私にはすごく興味深いですね。それを通して、日本食に留まらず、アメリカ各地にある世界各国の食事と楽しめるビールブランドを目指していきたいと考えています。
Sapporo U.S.A., Inc.◎1984年設立。サッポロホールディングス株式会社のグループ会社で、サッポロビールのアメリカにおける販売会社。現在、米国で扱っているのは「Premium Beer」「Premium Black Beer」など4種。