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芸術と自然を楽しめるLAのライフスタイル

経理・会計の仕事をし始めたのは就職してから。大学ではコンピューターが専門でしたから、数字に強いと誤解されたんでしょう。それが米国公認会計士の試験を受けることになったのは、自信がほしいと思ったのがきっかけの一つでした。また、大学の頃にイリノイ州立大学に交換留学で滞在したのですが、10カ月だと英語ができるようになるどころか、逆にきちんとコミュニケーションができない自分にフラストレーションがたまり、いつかビジネスレベルで使える実力がほしいと思っていました。名古屋証券取引所では海外関係の仕事をしていましたが、職種のせいか、そのときもやはりもっと英語力や経理の知識が必要だと思い、じゃあ米国公認会計士の資格を取って、英語も経理も両方やってしまおうと思ったんです。

米国公認会計士試験に合格し、会計士のライセンスを取るために２、３年のつもりで渡米しました。ところが来てみたら、家内がすっかりロサンゼルスを好きになって（笑）。彼女はアートをするのですが、来て早々に市の美術協会の委員になり、作品が雑誌に載るなど、彼女の活動を受け入れてくれる環境があったのです。家内が大学院に入り、それを修了するまではと言っているうちに、永住権が取れたのでじゃあこっちにいようかと。それに、私は映画と音楽が好きなのですが、ロサンゼルスに住んでいると、ミュージシャンとか映画スターにばったり会う機会があるんですよね。こういう偶然がなんともうれしくて…。

私も家内も、ここのライフスタイルに惚れ込んでしまったんでしょうね。週末はギャラリーや美術館を巡ったり、カフェでゆっくりしたり、ビーチに行ったり。13年まで６年間勤めたコスモ石油がヒューストンに移ることになったときも、ここを離れがたくて当事務所に戻らせてもらいました。ロサンゼルスというと、ユニバーサルスタジオやディズニーランドばかりが有名ですが、その他にももっとある面白さを日本に伝えたいですね。

質実剛健に加えてコミュニケーション力を！

同時にロサンゼルスにも、日本そして出身の名古屋の魅力を伝えたいと思っています。特に名古屋は大都市ではあるのですが、質実剛健で飾り気がないというのかな。ちゃんとやっていれば別にアピールしなくてもいいというような気風があって、外とのコミュニケーションが下手なんです。実はロサンゼルス市と名古屋市は姉妹都市で、今年がその提携55周年。名古屋市に米国公認会計士として専門家登録されていることもあり、米国進出を考える企業からご相談を受けることもありますので、今後は文化面はもとより、名古屋の産業面でのアピールにも何かお手伝いができればと考えています。

実は、私自身にもそんな名古屋的な性質があって、仕事の上でも「できます」とアピールしていくより、粛々と身の丈に合ったサービスをきちんと提供していくのが本分だと考える傾向があります。でも本当は監査においても会計のアウトソーシングにおいても、コミュニケーションは大切なんですよね。数字が正しいのは大前提ですが、それをきちんと説明し理解していただくと共に、会計情報が今後の経営に役立つように、お客様のニーズを理解しておく必要があります。広い領域をカバーする仕事ですから、もっと知識を付け、多くの方と知り合いながら、ロサンゼルスを楽しんでいる以上に、もっと仕事を楽しんでいけたらと思っています。

8月にThe Groveで行われた名古屋のプロモーションイベントに、スタッフとしてボランティア参加。名物料理の提供や書道の実演に人だかりができた

=Company Info=
柿本長島会計事務所◎柿本会計事務所と長島会計事務所の合併により、2004年に発足。LAを中心に北米全土で、監査・会計、アウトソーシング、税務、経営コンサルティング、情報技術コンサルティングサービスを提供。

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