1972年三重県生まれ。同志社大学卒業。95年、西大和学園カリフォルニア校附属幼稚園の教員として同校でのキャリアをスタート。以降、経理や人事などを行う事務長、幼稚園園長などを歴任した後、2014年、専務理事に就任する。
私が西大和学園カリフォルニア校で働き始めたのは、1995年。93年に開校し、まだ小・中学校のみだった当校に幼稚園を作ることになり、そこでの教員として来ました。3年間働き、いったん日本に帰国。2年後、2000年にまた戻ってきました。当時、パロスバーデスで校舎を貸していただいていた休校中の小学校が再開することになり、1年以内に移転しなければならなくなって…。移転に関わるさまざまな実務を行う人間が必要だったのです。
この移転が本当に大変でした。まず場所探しに苦労し、ようやくロミータにいい場所を見つけたものの、日本人が日本の教育を行う学校を開く、ということに近隣住民からは激しく反対され、市からもいい顔をされず…。しかし、何カ月もの間、近所の家に一軒一軒回って辛抱強く説明を続けると同時に、市役所に何度も通い、市長や市議会議員、市の担当の人たち、教育ビジネスに関わる人たちなどを相手に説得を続けました。その結果、最終的には住民から理解が得られ、市からの開校許可も下りたんです。12年に開校したサンノゼ校の立ち上げの際も同様に大変な苦労を強いられましたが、今では住民の方々と一緒に道路を掃除したり、学校行事に参加してもらったり、とても仲良くしているんですよ。
あの時、あれだけ頑張れたのは、父親の影響も大きいと思います。父は脱サラ後、地盤なしに裸一貫で市会議員になった人。そこから落選も経験しながら県会議員、国会議員と這い上がっていき、さらにその間に中高一貫校、西大和学園(奈良県)を設立し、全国でもトップレベルの進学校に育て上げたんです。そして14年には大阪吹田市に大和大学を開学させ、今でも現役で全国を駆け回っています。そんなガッツある姿を見て、「世の中のたいていのことは無理じゃない。要はやるかやらないか覚悟するか否か」と思えるようになったんです。
以来、補習校の開校や生徒の増加に伴う校舎の増設、アーバイン校、サンノゼ校開校などを経て、現在では全体で900人もの生徒を抱える学校へと成長しました。幼・小・中の一貫校として、勉強はもちろんのこと、リーダーシップを教える教育や、世のため人のために尽力していく考えを伝える教育、さらに私が父から教わったような、大きなスケールで問題解決に取り組める能力を育てる教育を頑なに続けてきた結果だと思っています。
今年はカリフォルニア校創立25周年、補習校開校15周年の年。私は本当に仕事人間で、全然外に出ていなかったところがあるので、さまざまな団体に所属したり、多くの方々に会ったりして交流を深めながら、当校がアメリカの日本人コミュニティーにとってなくてはならない存在であることを周知していく年にしたいです。
最後に、プライベートの話を少しだけ。平日校と補習校がある手前、休めるのは日曜日だけで、趣味という趣味もないんですが、4年くらい続けているヨガはなかなかの腕前になってきました。あと、子どもが息子2人と娘1人いるのですが、週末に息子たちの野球の試合を見たり、家族で犬を連れて自然散策したりするのがリラックスできる時間ですね。プライベートももっと充実させたいなと思いつつ、今後も仕事にのめり込んでしまうんでしょうね…(笑)。
西大和学園カリフォルニア校・補習校◎ロミータ、パロスバーデス、アーバイン、サンノゼに校舎を持つ、93年設立の文部科学省認定・全日制日本人学校。奈良県にある西大和学園中学校・高等学校を母体とする。