1971年長野県生まれ。ニューヨーク大学にて不動産学学士取得。2001年、株式会社ケン・コーポレーション入社。国際不動産グループ内RA Asset Management、およびプレミア投資法人に携わる。サイパン、グアムでのホテル運営・経営を経て15年より現職。
日本で大学に入った時は物理学部だったのですが身が入らずにいたところ、親が海外で勉強したらどうだとチャンスをくれたのです。ニューヨークに語学留学して、真剣に学ぶ留学生を見て、「専門的に何か身に付けなくては」とニューヨーク大学に進学。実家は建設会社で兄が継ぐのは決まっていたので、兄が「作る」なら「住」のそれ以外の部分を学ぼうと不動産学を専攻しました。90年代後半のちょうど不動産市場が大きく変化しつつある時代で、不動産のビジネスの面白さを肌で感じてもいました。
卒業後、ケン・コーポレーションに入社。投資に関わりたいと思っていたところ、アセットマネジメント担当となり、また「プレミア投資法人」にも関わってREITへの資産売却、REITからの管理請負など、やってみたかったことをすぐに担当させてもらいました。大学で学んだことが全て現場につながっていて、非常に面白かったです。
たった一つ、学校で学んだことと違ったのは「人」ですね。勉学は机上のことですが、仕事はお客様、投資家がいます。ただし基本的にはお客様がケン・コーポレーションに期待しているものはほぼ同じで、きちんと投資に対して答えを出していければ難しい話ではありません。しかし、2004年にサイパンでホテル運営・経営に関わり始めた時には、人はこんなに違うのかと強く感じました。それは国の違いというよりコミュニティーの違い。サイパンは村社会なのです。その社会の一員になり、地域に根を張って仕事をすることの大切さを思い出しました。同じような田舎の土木屋で育ったおかげで、そんな世界の感覚を知っていたことに随分助けられたと思います。
それに日本の外に出て、いろいろな国の人と仕事をして感じたのは、言葉できちんと気持ちを伝えることの大切さ。アメリカでは特に社員に期待値を言葉で伝えないと、彼らの能力が十分に発揮されにくい。また必要な時にはEメールを送った後に電話をして、どんな思いで言っているのか気持ちの熱を伝えます。たとえ言葉の壁があってもそれが乗り越えられるとしたら、それは熱を伝えることによって可能になると思います。経営者が社員に熱を伝えることが経営にとって一番重要なことです。ビジネスは基本は人。最終的には買ってくれる人、働いている人の気持ちをどう動かすかです。
2015年にカリフォルニアに異動。サイパン、その後のグアム、ここでも私の仕事は、ホテルを購入し再生して、投資のリターンが得られるようにすること。もともとケン・コーポレーションは不動産業であり、投資先を探す中でホテルに行き着き、ホテル運営を行うPremier Hotel Groupが生まれた経緯があります。同グループの当社が所有する2つのホテルは、近年、独自ブランドに変わり、所有、経営、運営を一貫して行うことで、その3つの業務のいずれの面でも良いホテルになってきています。
この2つのホテルは別々の組織として動いてきましたが、今後は横のつながりを作り一つの組織にしたいと考えています。例えばここでポジションがなくても、あっちにはある、そんな仕組みができれば、組織は強く大きくなりますよね。そして、いずれは日本も一つの組織にしたい。そうなった時、名実ともにPremier Hotel Groupという一つのグループになると思うのです。
=Company Info=
PHR Management, Inc.◎株式会社ケン・コーポレーションのグループ会社Premier Hotel Groupの一員。アナハイムのAnaheim Majestic Garden Hotelと、レイクタホのLake Tahoe Resort Hotelを所有・運営している。