1972年ドイツ生まれ。東京経済大学卒業後、95年、オリエンタルモーター株式会社に入社。経理部、海外業務推進部を経て、98年よりドイツに経理担当駐在員として赴任。07年、本社経理部に帰任。11年より海外業務推進部に異動。14年に現職として渡米。
父の仕事の関係で、ドイツに生まれて、その後日本に帰国したり、再びドイツに行ったりと計10年近くドイツで育ちました。小・中学校は現地の日本人学校で、高校はイギリスにある全寮制の立教英国学院。いずれ日本に帰ることが決まっていましたから、きちんと日本語を使えて日本語で考えられ、日本人として誇りを持てるようにという理由と、またドイツと日本では教育制度が異なることも理由にあって、日本人学校を選択したのです。私と同じように海外に暮らしながら日本の教育カリキュラムで育ってきた妻とも相談し、今、3人の子どもたちも、ロサンゼルスで日本人学校に通っています。
日本がベースだという意識は常にあったのですが、就職活動という今後の進路を自分で決めるにあたって自分を考え直した時に、せっかくこんなに長い間ドイツで過ごしたのだから、職場がドイツにあってもいいのかもしれないなと、ドイツに拠点を構えている会社を探しました。そして1995年にオリエンタルモーター株式会社に入社。経理部に勤めた後、海外業務推進部で貿易実務に携わりました。入社して3年弱が経った頃、ヨーロッパ本社があるドイツに経理担当駐在員として赴任に。それまでは現地社長が兼任しながら、現地社員がサポートをして進めていた経理の仕事を私が受け持つことになりました。まだまだ右も左も分からない状態で、多少言葉の問題もあり最初は苦労しましたけれど、むしろ10年近いドイツ駐在の後に帰国した時の方が大変でした! 通勤ラッシュに、ドイツとは全く異なる職場の雰囲気や仕事の進め方など、逆カルチャーショックを受けたくらいです(笑)。
2007年に本社経理部に帰任し、収支予算の管理会計を担当後、11年3月に海外業務推進部に異動に。そして14年、アメリカに経理マネージャーとして赴任しました。基本的な仕事はドイツでの仕事と同じく経理に関わる全てで、弊社のアメリカ全土と、弊社USAの子会社があるブラジルの経理を受け持っています。日本と異なり、アメリカでは州ごとに税金の申告納期や方法などが異なるのですが、ドイツでは国ごとに税制や税率が違う欧州全体の経理を担当していましたから、 ある意味では変わりませんね。しかもドイツ駐在当初はユーロ導入前でしたから、さまざまな通貨にも翻弄されました! とはいえ、経理という仕事や数字を通じて、ドイツやイギリス、イタリア、フランス、そしてブラジル、アメリカを訪れ、異文化に触れられたのは私の大きな財産だと思っています。私は小学校からサッカー少年で、たまたまですが、これらの国はいずれもサッカー大国なんですよね(笑)。
経理というのは会計の原則に従って数字を出していきますので、実績の部分は変えられるものではありません。収支予算管理、売上や利益、経費分析については、誰がやってもきちんと精度の高い数字になる仕組み作りが大切です。その精度アップは今注力している仕事の一つです。一方で、今、数字がどうなっていて、今後どうなるのか、そして、だから私たちはこれからどうするべきかというメッセージの伝え方は、各経理マンの腕の見せどころだと思います。社員全員が最大限のパフォーマンスを得られるように、経理マネージャーとしてロードマップを描いて、きちんとそうしたメッセージを伝え続けていきたいと思っています。
=Company Info=
ORIENTAL MOTOR U.S.A. CORP.◎1978年、オリエンタルモーター株式会社の現地法人として設立された。親会社は1885年創業。精密小型モーターおよび制御用電子回路などの開発・製造・販売を行っている。