2015/6/17
JBAは、北加日本商工会議所(JCCNC)と共同で、毎年州都サクラメントを訪問しているが、今年も6月17日、18日両日に訪問を実施した。同訪問は、カリフォルニア州政府との関係維持・強化を図る目的で二十数年来毎年継続して実施しており、今年は、カリフォルニア州に対する日系企業の貢献度をさらにアピールし、日系企業が州内で事業活動を行うのに直結した具体策や、日本の新幹線技術や安全性に関するアピール、および会員企業社員、家族の運転免許証取得に関するDMVとの友好関係・支援の継続の確認等に重点を置いた。
〈今回の訪問日程〉
■6月17日(水)
•カリフォルニア陸運局(DMV)との会談
•カリフォルニア州経済促進知事室(Go-Biz)との会談
•カリフォルニア州政府幹部・上院・下院議員とのレセプション
■6月18日(木)
•カリフォルニア州上院議会にて紹介を受ける
•カリフォルニア州地震対策委員会との会談
•カリフォルニア商工会議所との昼食懇談会
•カリフォルニア環境保護局との会談
〈参加者〉
JBA:三宅会長、大川商工部会長、川田商工部会副部会長
石川商工部会員、高橋JBA専務理事
JCCNC:山室会頭、片山理事、佐藤理事、難波理事
中村理事、冨田特別顧問、浦部氏、中川事務局長
カリフォルニア州上院議会
6月18日、開催中の上院議会を訪問したJBA、JCCNCは、ケルビン・デ・リオン第50代カリフォルニア州上院仮議長から、議員に対して紹介されるという栄誉を受けた。デ・リオン仮議長は、去る4月に上院議員数名と共に日本を訪問していることから、親しみのこもった紹介となり、集まった上院議員からは大きな拍手を受けた。
紹介時には、カリフォルニア州は日本と強固な経済的な連携、歴史的なつながりがあるだけでなく、貴重な友情も分かち合ってきたこと、また日本のビジネスはカリフォルニア州に大きな経済的貢献をしており、製造工場、物流センター、小売業、金融関係のビジネスで、雇用を生み、カリフォルニアの税収入にも大きく貢献していることが言及された。加えて、 現在、高速鉄道(High Speed Rail)を建設中のカリフォルニアにとって、世界的に有名な新幹線の国である日本との関係は特に重要であると紹介される場面もあった。
Go-Bizとの会議
「Go-Biz(Governor’s Office of Business and Economic Development、経済促進知事室)」は、ジェリー・ブラウン州知事がカリフォルニア州の経済促進と雇用創出のためのシングルコンタクトポイントとして創設した州知事特命機関であり、今年の会談は3回目。例年とは異なり、今年は下記のような具体的な内容に踏み込む会談となった。
■California Competes Tax Credit
カリフォルニア州の税控除プログラムである「California Competes Tax Credit」は、カリフォルニアに納税している企業であれば、会社の規模を問わず申請することが可能である。1年に3回、審査ラウンドがあり、総額の税金控除は1億5000万 ~2億ドル。先回のラウンドには260社超が参加し、62社が受領。日系企業も含まれている。どれだけの雇用を生むか、どのような雇用を生むかを定量的と定性的に判断する。
■MOC
7月末に「MOC(Memorandum of Cooperation)」の事前調査の結果レポートがNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)より出される見込み。その後、開発ステージに移行する。州知事は蓄電池に関して興味を持っており、再生化エネルギーの要になると期待している。水関係技術は、ロサンゼルス近郊でプロジェクトを進めている。
■高速鉄道分野
高速鉄道の開発業者を決める際には、費用、技術力、安全性の3つが考慮される。特に費用は重要な検討項目である。開発には高額な費用がかかることを考慮して、ファイナンスの方法や、駅周辺の商業開発に関するプランの提示が必要になると予期される。また開発によりどれだけの雇用が生まれるかも重要な決定要因となる。JBAからは、特に技術面、安全面の重要性の観点から、システム全体としての優位性において、日本の鉄道会社が優れている旨を強調した。
DMVとの面談
JBA会員企業の社員および家族、特に日本からの出向者の運転免許証発行に対するDMVの協力と支援に対し、感謝を述べ、ジーン・シオモト長官から今後も継続して支援をいただく約束を取り付けた。JBAは過去長い年月サクラメント訪問時にDMVを訪問し、また賀詞交歓会、VIP Reception等の重要イベントに長官を招待し、友好関係を構築・維持してきている。
その他の出来事
その他、カリフォルニア州地震対策委員会との昨年に続く2回目の会談、本年初めてのカリフォルニア環境保護局との会談を含め州政府機関との有意義な会談を実施した。また、カリフォルニア商工会議所とは幹部との昼食懇談会を実施した。このサクラメント訪問によりJBA会員企業がさらに具体的なメリットを享受できるよう、引き続き取り組んでいきたい。