2023/2/28
去る2月3日(金)、ハリウッドのJAPAN HOUSE Los Angelesで、南カリフォルニアの日系企業の今後を担う次世代のJBA会員を集めた「JBA Next Generation発足式」を開催した。
最初に、商工部会の前川副部会長さんより「昨年6月に100名近い参加者に集まっていただき、Nitto Tires U.S.A.の水谷様を講師に迎えた講演会を開催したのを契機に、9月にNext Generationの活動の方向性に関するディスカッションを持ち、10月から活動への参加者の募集を開始しました。そしてステアリングコミッティーに7名が決定、参加者としては90名以上の方に応募していただきました」と、JBA Next Generationの発足までの経緯が説明された。
続いて、小林JBA会長が「会社の枠を超えた集まりとして、会員を横と縦につなげて、アメリカに生きる私たちにとって、また日系企業にとっても大きな価値を生み出していきたいと思っています」と、同活動の意義と会長としての決意を述べた。
さらに、曽根在ロサンゼルス日本国総領事が登壇し、「私が昨年9月に着任した直後、日系アメリカ人のNext Generationのイニシアチブがありましたが、それは日系の若い人たちが日本のことに深く関わってくれるようにと前任の武藤総領事の代から取り組んでいる活動です。彼らのカウンターパートとして、皆さんには企業のしがらみにとらわれず、日系人と一緒になって活動していただきたいと思っていました。2月22日に日系の次世代の方々のプレゼンテーションを行うので、ぜひお越しいただき、彼らと交流していただきたいと思います」と、日系アメリカ人の次世代との協働についても言及した。
次に海部JAPAN HOUSE館長が「一緒に何かをやる時に『あの人に頼まれたらなんとかしよう』というように、結局は人と人とのつながりが大きな力となります。そのつながりを構築するのは早い方がいいです。多くの人に本日、JAPAN HOUSEにお集まりいただき、私は大変なエネルギーを感じています」とJBA Next Generationに寄せる熱い期待を言葉にした。
その後、10卓に分かれたグループごとに、与えられたテーマについて話し合う時間が設けられ、代表者が1分ずつ議論した内容について発表を行った。発表内容は次のとおり。
A-1:テーマ「組織や国を超えた信頼関係の構築」
「日本の教育を本質的に変える必要がある。例えば、米国のギフテッド教育など、米国の素晴らしい文化を日本が導入することも一案。問題は日本の同調圧力であり、それをなくすことで人々がもっと自由に発言しやすい社会が作れる」。
A-2:テーマ「組織や国を超えた信頼関係の構築」
「日系や在米日本人同士のつながりは、他のアジア系同士のつながりと比べると非常に弱い。ステアリングコミッティーを中心に、なぜ他のアジア系の人々のような強力な関係性を構築できないのかをリサーチする、さらに日系以外のコミュニティーの集まりに積極的に出かけていき、交流を深めながら模索することを提案したい」。
B-1:テーマ「日系企業のカルチャーの発信」
「より良い人材の採用が最善策となる。そのために日系企業が持つチームワークの良さ、慎重さ、丁寧さ、質の高さを追求する姿勢、動き始めるまでは時間がかかるが動き始めたら行動は早いといった良い点を発信して、アメリカの人々に日系企業に入社してもらいたい」。
B-2:テーマ「日系企業のカルチャーの発信」
「日系企業のプレゼンスが落ちている。アメリカ人の従業員が定着しないという現状がある。入社前と入社後のギャップがその要因かもしれない。入社前から日系企業について学んでもらうことと、さらに日本人があらゆる場所でゴミ拾いを実行することで、ひいては日系企業のファンを作っていきたい」。
C-1:テーマ「日系企業の若手リーダーの挑戦」
「JBAでは異業種からの知識を得ているのに生かしきれていない。日本からアクセスしやすいなどのLAの良さを日本の人たちに訴え、Next Generationをプラットフォームとして日本の企業の海外進出を促進させていきたい」。
C-2:テーマ「日系企業の若手リーダーの挑戦」
「挑戦するために自分たちのコンフォートゾーンを出ていく必要がある。『しくじり先生』のように互いに過去の経験、特に失敗談を共有することで、挑戦できる土壌を作り出したい」。
D-1:テーマ「次世代リーダーシップの育成」
「リーダーの経験を共有する機会を設けて、経験を積める機会をグループ活動として展開し、グローバルなリーダーシップに発展させていきたい」。
D-2:テーマ「次世代リーダーシップの育成」
「この集まりが楽しくないと継続できない。どうすれば面白いものになるかを考え、例えばガンダムの巨像をLAに建てる、アニメの聖地をLAに作るといった、ワクワクするようなプロジェクトを実現する、もしくはユニクロの柳井さん、または芸能人やスポーツ選手で海外で成功を収めた人を呼んで話を聞くなどをすれば、活動が面白くなり、会自体が大きくなるのではないか」。
E-1:テーマ「日系企業のプレゼンス」
「日本製の物をアメリカで目に触れる機会が増えると、日系企業のプレゼンスが上がっていることが実感できる。多くのアメリカ人に利用されるはずなのに広がっていない物、例えばサウナなどに着目してみるといいのではないか」。
E-2:テーマ「日系企業のプレゼンス」
「企業同士のマッチングカフェなどを実施し、それぞれの企業の強みと弱みを組み合わせて一緒にできることはないかを模索していきたい。その際には『サステナビリティー』、『エンターテインメント』などのテーマを設定する」。
発表後は、食事をしながらの交流会に移り、曽根総領事が各テーブルを回って参加者一人一人と交流した。そして、次世代が新たな価値を生み出すというNext Generationの目的意識を共有した同会は盛況のうちに閉会した。