2017/2/4
去る2月4日、商工部会は「外務省主催2017年在米日系人リーダー(JALD)訪日プログラム」の壮行会ディナーをJapanese American Cultural and Community Center(JACCC)で開催した。当日は全米から選出された日系人リーダーをはじめ、日本国総領事館やJBAの関係者らが多数出席した。
今年で17回目を迎えるJALDプログラムは、毎年全米各地から選出された日系アメリカ人リーダーが日本を訪れ、政府や財界、学術界の著名人のほか、非営利団体など文化セクターのリーダーらと交流するプログラムである。その運営・実務は米日カウンシルが担当し、今年は11人のJALD参加者が3月3日~11日に東京と金沢を訪問。期間中は「日米友好と相互理解の促進」「在米日系人の役割拡大」「日系人リーダーのネットワーク構築」を目的に日本の要人らと意見交換する。
これに先立ち、2月3日~4日にロサンゼルスでオリエンテーションとJBA商工部会主催の壮行会ディナーが行われた。会の開始前に石川斉商工部会長にJALDへの期待を聞いたところ、「トランプ政権に移行し、日米の相互理解は以前にも増して重要になると思われます。この動きの中で、JALDの皆さんが日本を訪れて日本を正しく理解し、学んだことを持ち帰りアメリカで伝えていただくことは非常に大きな意義があります。我々JBAとしても彼らを支援することで、現政権の動きに影響されない強固な日米関係維持に貢献したいと思っています」と語った。
午後6時、壮行会ディナーが始まった。最初に大川智JBA会長が挨拶に立った。「2000年にこのプログラムが始まって以来、アメリカ社会の中枢で活躍する約200名の日系人リーダーが訪日し、良好な日米関係の構築・維持に貢献してくださいました。創立56周年となるJBAには現在約500社が加盟し、カリフォルニアで約8万人の雇用を創出しています。このように日系企業が活躍できるのも、日系アメリカ人の皆さんのサポートがあってのこと。その感謝の気持ちをお伝えすると共に、皆さんの訪日が実りあるものとなるよう願っています」。
続いてJBAの歴史や活動を紹介するビデオを上映した後、千葉明在ロサンゼルス日本国総領事が挨拶。「このプログラムは、日系人リーダーの皆さんがご自身の先祖の祖国を知る好機です。現地でたくさんの日本人と友好を深めると思いますが、ぜひとも日本のおもてなし文化を感じてください。日本は皆さんの"帰国"を心から歓迎しています。Enjoy your home coming!」と語った。
次に、JALDを率いるアイリーン・ヒラノ・イノウエ米日カウンシル会長が登壇し、「今年度のJALD参加者は全員日本に行ったことがありますが、これまでの訪問とは違い政治的、経済的、社会的側面から日本を理解できる絶好のチャンスです。また、日系一世から五世で構成されている皆さんは、多様性と広がりを持つ日系アメリカ人社会の縮図とも言えます。このプログラムを遂行することで、日本を理解するだけでなく日系アメリカ人社会の多様性も理解できるはずです」と話した。
訪日する日系人リーダーらの自己紹介が行われた後、最後に米日カウンシルの新ボードメンバー、デニス・スギノさんが登場。壮行会を開いたJBAに感謝を伝え、「皆さんの訪日が有意義なものとなりますよう、カンパイ!」と威勢よく乾杯の音頭を取った。
2017年訪日日系人リーダー(敬称略)
• David Boone (President, CB&I (Chicago Bridge & Iron) Federal Services / Alexandria, VA)
• Jason Fujimoto (President & COO, Hawaii Planning Mill, Ltd. / Honolulu, HI)
• Sawako Gardner (Judge, 10th Circuit Court, Portsmouth District Court State of New Hampshire / Portsmouth, NH)
• Roy Hirabayashi (Co-Founder and past Executive Director, San Jose Taiko / San Jose, CA)
• Leslie Ito (President & CEO, Japanese American Cultural and Community Center / Los Angeles, CA)
• Lynn Nakamoto (Associate Justice, Oregon Supreme Court / Salem, OR)
• Patrick Oishi (Judge, King County Superior Court / Seattle, WA)
• Ken Russell (Commissioner, District 2, City of Miami / Miami, FL)
• Michael Takada (Chief Executive Officer, Japanese American Service Committee / Chicago, IL)
• Wendy Takahisa (Executive Director, Office of Community Relations, Morgan Stanley / New York, NY)
• Gary Yamashita(Chief Executive Officer, Sakura Square / Denver, CO)
マイケル・タカダさん
「私は以前、日系銀行のシカゴ支店に勤めていましたが、現在は日系アメリカ人社会で活動するNPO団体で働いています。私が日本と強いつながりを持っていた銀行時代からかなり時間が経っていることもあり、今の日米関係や日本人と日系アメリカ人の関係は昔と異なっています。しかし両者の関係の重要性は依然変わっていません。このプログラムを通じて、どのように日米関係の変化に対応し強固な関係を維持すべきかを考えたいと思います」
サワコ・ガードナーさん
「私はニューハンプシャー州の小さな町に住んでいるため日系アメリカ人と会う機会はあまりありません。ですから私にとってこのプログラムは、私と同じ日系アメリカ人と密な関係を構築し体験を共有できる貴重なチャンスだと考えています。同時に、人間同士の「友好」を体験できる有意義な場でもあります。今回の体験から、日米関係の深化と発展のために今後自分に何ができるのかを学びたいと考えています」
レスリー・イトウさん
「私たち日系アメリカ人は、日米の懸け橋になることや日米関係を強固にすることを大きな責務とし、日米関係を構築する上で特異なポジションに立てる特別な存在だと思っています。私は日系四世で日本語が話せませんが日系人特有の感覚は持ち合わせており、日米関係強化の重要性や利点がとてもよく分かります。そうした独特の感覚を通してプログラムを遂行し、これからも日米関係の発展に貢献したいと思います」