2025/3/5
去る2月1日(土)、商工部会が米日カウンシルと共同で、「2025年・在米日系人リーダー訪日プログラム(JALD)」壮行会を、ダウンタウンLAのMiyako Hotel Los Angelesにて開催した。
外務省主催の「在米日系人リーダー訪日プログラム」(Japanese American Leadership Delegation Program=JALD)は、「日米間の友好と相互理解の促進」「在米日系人の役割拡大」「日系人リーダーのネットワーク構築」を目的に、2000年に発足した。以来、毎年全米各地で活躍する日系人リーダーから使節団メンバーを選出して日本に派遣し、政府や財界、学術界の要人らと交流する場が設けられている。
今回で22回目の開催となった同プログラムの壮行会には、2月28日(金)~3月8日(土)にかけて東京、広島を訪れる予定の日系人リーダー10名に加え、在ロサンゼルス日本国総領事館から曽根健孝総領事や領事、プログラムの企画運営を担う米日カウンシル(U.S.-Japan Council=USJC)、さらにジェトロ・ロサンゼルス事務所、毎年この壮行会を主催する形で同プログラムに関わっているJBAの関係者らが出席した。日系人リーダーの皆さんは前日の1月31日(金)~壮行会当日と2日間にわたってオリエンテーションを受けた直後でもあった。
さて、当日は受付開始の5時半を過ぎると参加者が続々と来場し、さっそく会場のあちらこちらで名刺交換、交流が行われた。6時になると、ジャパン・ハウス ロサンゼルス館長、海部優子さんによる司会でプログラムがスタート。まずは南浦JBA会長がマイクを持つと、山火事の被害者へのお見舞いと復興への期待の言葉を述べた後、「このプログラムは、日米間の人と人の絆を深める上で非常に重要な役割を果たしています。2国間の関係は、ますます強固なものとなっており、今後さらに発展することに疑いはありません。今年の使節団は東京や広島を訪れる予定ですが、今年は戦後80年目を迎える特別な年でもあります。特に広島の訪問は重要な意味を持ちます。終戦から長い年月が経ち、今では美しい街並みが広がっていますが、ここまで街を再建することは容易ではありませんでした。地域の人々が協力し合い、互いを理解し、受け入れてきたからこそ実現したことです。どうぞ、今夜のレセプションをお楽しみください。そして、皆さんの訪日が素晴らしい体験となりますように」と、今年のJALDの成功への期待を口にした。
続いてJBAの活動紹介ビデオ、さらにLAEDC(Los Angeles County Economic Development Corporation=ロサンゼルス郡経済開発公社)、WTCLA(The World Trade Center Los Angeles)のプレジデント兼CEOのStephen Cheungさん、Al Muratsuchiカリフォルニア州下院議員などからのビデオメッセージを流した後、米日カウンシルを代表してKira Teshima Conlonさんが登壇(当日、米日カウンシル会長兼CEOのAudrey Yamamotoさんは体調不良で欠席)。「毎年この会を開催してくださるJBAに感謝申し上げます。JALDは米日カウンシルの代表的プログラムであり、長く続くJBAの友情とご支援に心から感謝しています。また、特に南浦JBA会長、そしてジャパン・ハウス ロサンゼルスの海部館長に、常に米日カウンシルや日系アメリカ人コミュニティーとJBAとの架け橋となってくださっていることに深く感謝申し上げます。そして使節団の皆さん、おめでとうございます。皆さん一人一人が、日系アメリカ人の多様性と卓越性を代表していることを誇りに思います。今回の日本訪問が素晴らしいものとなることを心から願っています」と述べた。
その後、今回の使節団の一員として選ばれた日系人リーダー10名がズラリと前に並び、一人ずつ自己紹介をした後に、曽根総領事が登壇。「使節団の皆さん、2日間のオリエンテーション、お疲れさまです。日本は米国における最大の海外直接投資国であり、特に南カリフォルニアでは多くの雇用を創出しています。そしてJBAは日本企業を束ねる組織としては、アメリカで最大級の会員数を誇る組織の一つです。私は外務省で30年以上働き、経済分野に長く携わってきました。大使館には2度勤務し、特に日本企業の支援やTPP協定の交渉にも尽力しました。その間、特にアメリカの議会を説得する際には、地元コミュニティーからの支援が非常に重要であることを痛感しました。しかし日本企業は往々にして謙虚であり、自分たちが地域社会にどれだけ貢献しているのかを十分に発信しない傾向にあります。そのため、各地の日系アメリカ人コミュニティーがこうした日本企業を支援し、企業活動や地域貢献を説明いただくことが大変重要だと思っております。また、今後さらに多くの日本企業がアメリカ進出を検討できるよう、この場での皆さまとの交流を通じて日本企業と日系アメリカ人コミュニティー、双方の成功に向けた協力関係が深まることを願っています。今日のイベントを、ぜひ南カリフォルニアでのビジネス連携強化の好機としていただければと思います。今年の使節団の皆さまが成功を収められることを心からお祈りしています。そしてJBAの皆さまも、引き続き日米間の発展にご尽力いただければ幸いです。乾杯!」と、乾杯の音頭を取った。これを機に、会場は懇親およびディナーの時間へと移行。来場者同士で活発な交流が行われた後、会は終了となった。
自己紹介をする日系人リーダーの皆さん。
アメリカにおける日本の経済的貢献度合いの大きさを強調した、曽根総領事。
おいしい料理、酒とともに交流を楽しんだ参加者の皆さん。
会場の至る所で会話の輪が広がった。
2025年訪日日系人リーダー(敬称略)
ELLEN KAMEI (Mountain View, CA), City Councilmember, City of Mountain View, California
JASON MIYASHITA (Tamuning, Guam), Managing Director, Raymond James
ROGER NOZAKI (Providence, RI), Vice President for Strategy & Programs, Barr Foundation
ELISABETH TAMIKO OOKA (Bloomfield, NJ), President & COO, Furumoto Realty Inc.
ANN TERANISHI (Honolulu, HI), President and CEO, American Savings Bank
HANAKO WAKATSUKI-CHONG (Portland, OR), Executive Director, Japanese American Museum of Oregon
KENDEE YAMAGUCHI (Seattle, WA), Deputy Assistant Secretary, International Trade Administration, U.S. Department of Commerce
AKIRA YAMAMOTO (Bloomfield Hills, MI), US Japanese Services Group National Leader, Deloitte LLP
DAWN YAMANE HEWETT (Washington, DC), Partner, Quinn Emanuel Urquhart & Sullivan LLP
DERICK YANEHIRO (Los Angeles, CA), Producer, ABC Network News