2018/6/10
去る6月10日の日曜日、オレンジ・カウンティーのアーバイン高校スタジアムで、「第30回OC大運動会」が開催された。今年は、55企業から177家族、479人が参加。終日真っ青な空が広がり、燦燦と照りつける太陽の下での運動会となった。
当日は、運動会実行委員らがオレンジ色のTシャツを着用し、午前8時頃から自分の持ち場の準備を入念に開始。9時頃になると徐々に参加者らが集まり、受け付けを済ませていった。広々としたグラウンドでは、走り回る子どもたちや柔軟などの準備運動をする大人たちが増え始め、徐々に活気付いていった。
午前9時30分。本部席から開会式を告げる放送が流れると、参加者らがテントから出てフィールドに集合。早崎岳志オレンジカウンティ地域部会長が壇上に上がり、開会を宣言した。早崎部会長は、運動会開催のために寄付をしてくださった企業や、事前の段取りから当日の準備まで全てボランティアで協力してくださったJBA会員企業や個人、および中心になって活動してくださった実行委員会メンバーらに謝辞を述べた。また、今年が記念すべき第30回目の運動会になることに喜びと感謝の意を表明。そして、「今日はアメリカで暮らす皆さんを応援するために、はるばる静岡県浜松市から特別ゲストが来ています」と紹介すると、左右をスケさん、カクさんに守られた愛らしい姿の「出世大名家康くん」が登場した。家康くんとは、浜松城を築いて17年間城主を務めた後、天下統一を果たした徳川家康にちなんだ同市のマスコットキャラクター。「ゆるキャラグランプリ2015」優勝という実績の持ち主で、会った人にはお近づきの印に「出世運」を授けてくれるという。当日は終日、運動会の観戦と手伝いに励んでくれていた。
最初のプログラムはラジオ体操。もちろん模範演技は家康くんだ。短い腕を一生懸命回しては、その愛らしい姿をアピールしていた。
いよいよ競技開始。まずは小学生未満による「幼児ドン」。これは単独の25メートル走で、一心不乱に全力疾走する子どもがいれば、親に手を引かれて泣き出す子どももいた。次の「オレンジ運動会」は、プラスティック製のラケットにオレンジを乗せてゴールを目指す25メートル走。急げば急ぐほど体の揺れからバランスを崩してオレンジが落下。落としたら拾って再度ラケットに載せて走るのだが、もちろん手で押さえることはルール違反。まっすぐ走るだけでなく、三角コーンでいかにオレンジを落とさず折り返すかも勝利の鍵だった。
次は、小学生以上の男女による「徒競走」。低学年の男女は必死にゴールを目指す姿がかわいらしいが、学年や年齢が上がるとともに走る速度が増し、中高生男子となるとそのスピードは凄まじかった。
毎年人気の「親は顔面蒼白」は、手を使わず小麦粉に埋まった飴を探し出して口にくわえ、子どもを背負ってゴールを目指す競技。顔を小麦粉に埋めて飴を探すため、顔中真っ白になって走る大人の姿に笑い声が絶えなかった。
小学3年生以上の男女が紅白に分かれて行う「綱引き」では、家康くんが旗振り役となり、競技を盛り上げた。
午前の部最後は、小学生以上による中距離走の「アーバインマラソン」。特に壮年の部(30代男子)では800メートル走るため、年齢的にはもはや長距離走のレベル。日頃の運動不足がたたってか、苦しい顔でゴールするランナーが多く見受けられた。
昼食中にはドアプライズ抽選会を開催。22社から寄付された総額8000ドル相当の賞品が当選者に手渡されていった。午前の部が終了した時点で、紅白とも16点。この同点が午後の熱戦に拍車をかけることとなった。
午後の部は「二人三脚」から。2人が互いの脚をひもでくくって走るお馴染みの競技だが、歩調が合わないと進めない難易度の高い競技だ。もちろん転倒者も続出。
次に、親が小学生未満の子どもの手を引き、賞品入りの袋をピックアップしてゴールを目指す「親子で買い物」や、4人が電車に見立てたロープの輪に入り、先頭が運転手、真ん中2人は乗客、最後尾が車掌として走り、次のグループにたすきを渡す「電車道」が行われた。
成人男女による「大人の玉入れ」と小学3年生以下の男女による「子どもの玉入れ」では、年齢に関係なく参加者全員が大ハッスル。そして、小学5年生以上の女子による「大玉運び」と熱戦が続いた。
最後はお待ちかねの「グループ対抗リレー」。紅白と、それぞれを青、橙、緑、黄に分けた合計6グループで勝敗を競った。リレー直前では、紅52点、白60点と白が僅差でリード。しかし逆転も十分可能であることから、リレーが勝敗を決定するという大盛り上がりの展開となった。第一走者が一斉にスタートすると、会場から大歓声が起こった。そして、アンカーにバトンが渡ると観客のボルテージは最高潮。結果は青(紅)が一着。以下紅、緑(白)、白、橙(紅)、黄(白)と続いた。
興奮冷めやらぬ中、全競技が無事終了。ラジオ体操、会場の掃除を経て閉会式が始まった。早崎部会長が再度壇上に上がり、参加者ら全員の健闘を労うとともに、運動会開催に尽力した関係者らに謝辞を述べた。そして「家康くん、気を付けて日本に帰ってくださいね」と特別ゲストの無事の帰国を願った。
今年の結果は、紅117点、白100点と紅が逆転勝利。紅白両チームから沸き起こった大きな拍手とともに、第30回OC大運動会は成功裏に幕を閉じた。