2021/11/3
去る9月21日、企画マーケティング部会主催によるセミナー「越境EC今更聞けない! ブランドの顔となりつつあるSNS運用~情報配信、認知度向上、ブランディング」をオンラインで開催した。
[講 師]
小沢初さん
株式会社GO RIDEマーケター。
米国マーケティングリサーチやSNS運用を担当。年間セールス施策の提案、SNS運用と連動したニュースレターの制作に対応。
[講 師]
大久保七海さん
株式会社GO RIDEアカウントマネージャー。
SNS運用、キャンペーン、コンテンツなどのディレクションを担当。
今や、企業イメージや製品の宣伝広報に不可欠なツールとなったSNS。今回のビジネスセミナーでは、そのSNSの押さえておきたい基礎知識から効果的な運用方法までを、EC支援に特化したデジタルクリエイティブ・エージェンシーであるGO RIDEの小沢さんと大久保さんが、具体的な例を交えながら解説した。
最初に、「SNSがなぜビジネスで必要なのか」について、「ブランド認知度を高める、顧客とのコネクションを増やす、コンバージョン率を上げる、低コストでウェブサイトのトラフィックを増やせる」ことだと触れた後に、SNSの主要なプラットフォームの概要を次のように紹介した(※データは米国のもの)。
◉Twitter:
ユーザーは男性54%、女性43%。140字でブランドプロモーションやニュースの投稿が可能。最新ニュースを「Twitter」で確認するユーザーが多い。
◉Instagram:
ユーザー数1億4000万人。女性56.5%、男性43.5%。月に1億3000万人が「Instagram」でショッピングの投稿をタップ。画像を投稿し、消費マインドを高めることができる。
◉Facebook:
ユーザー数1億9000万人。男性56.3%、女性43.7%。1日の平均使用時間33分。ビジネスページを作成し、基本情報とショップの掲載が可能なほか、細かいターゲットの絞り込みが可能。
◉Linkedin:
ユーザー数5800万人。男性51%、女性49%。Facebook、Twitterよりリードを獲得しやすい。
◉Pinterest:
ユーザー数9800万人。女性78.1%、男性21.9%。「Instagram」のように画像を投稿して、商品を紹介できる。
◉YouTube:
ユーザー数2億5900万人。男性56%、女性44%。1位の「Google」に続き、世界で2番目にアクセスされているウェブサイト。「YouTube」を利用して商品などを紹介すると、「Google」の検索結果で発見されやすくなる。
◉TikTok:
ユーザー数1億3000万人。女性61%、男性39%。Appleの「App Store」のダウンロード数が最も多いアプリ。他のプラットフォームに比べ、投稿コンテンツがバズりやすい。
数あるプラットフォームの中でも、特にECとの相性が良いと言われる「Instagram」について、大久保さんが次のように紹介した。「気に入った商品を見つけるとその場で購入できる『インスタグラムショッピング』の機能が注目されています。ユーザーはタグをタップし、商品と値段を確認することができます」。
また、大久保さんは、「Instagram」ではフォロワー数よりもエンゲージメント率を重視すべきだと強調した。「投稿して終わりではなく、その投稿を見たユーザーと積極的に交流しましょう。さらに、一番見てほしいユーザー層が何時に「Instagram」をチェックしているかを把握した上で、その時間に合わせて投稿することも重要。そして、投稿する上ではブランディングの一貫性を維持することがポイントです。フォントやカラーを合わせる、写真の色味を合わせる、また写真の配置やバランスに留意するといったことです」。
さらに、良いコンテンツの条件とは「一貫性がある、共感できる、役立つ、参加型である、タイムリー、何度も見たくなる、親しみやすい」だということだ。そのようなコンテンツを作る上での心がけとして、「Educational(教育的、新しい知識が身に付く)、Inspirational(インスピレーションを与える)、Entertainment(娯楽的、楽しめる)な要素をコンテンツに組み入れることが重要だと語り、まとめとして「さまざまなSNSプラットフォームが存在する中、運用目的を考えて使用することが重要、『Instagram』の機能を再チェックして使いこなす、いいコンテンツ作りの3つのポイントを意識する」ことがSNS運用の成功の鍵だと締めくくった。
セミナー終了後には、質疑応答に移った。「飲料をSNSでアピールするには、どのようにするといいでしょうか?」との参加者からの質問に、大久保さんが「SNSのインフルエンサーに飲料を配ることがよく行われています。また、SNSで強く訴えるべきなのは、他の商品との差別化です。「オーガニックである」などのアピールしたい特徴などをポイントとして絞り出し、その特徴を持った商品に関心があるユーザーにリーチしやすいコンテンツを投稿するようにしてください」と回答した。
また、食品のSNSを通じたアピール方法に関する質問に対しては「アメリカで一般的にあまり馴染みのない商品の場合は、使い方の紹介をするといいでしょう。また、なぜその商品ができたのか、どのような地域で生産されているのかなど、面白いと思わせる歴史や背景などを紹介することもお勧めします。さらに、実際に食べてどうなのかということを投稿してみましょう。試す人はインフルエンサーでも社員でもいいです。一度食べてみたいなと思ってもらえるような工夫が重要です」と、具体的なアドバイスが提供された。