2020/8/7
去る7月2日、働き方改革の成功例で知られるサイボウズの山田さんを講師に迎え、ウェビナーを開催した。
[講 師]
山田 理さん
サイボウズ取締役副社長兼グローバル事業本部長兼組織戦略室長。日本興業銀行を経て2000年にサイボウズへ転職。14年には米国事業立ち上げのためシリコンバレーに赴任。著書に『最軽量のマネジメント』(サイボウズ式ブックス)。
最初に山田さんはサイボウズの働き方改革のきっかけが離職率の高さだったと話した。「自分たちなりに働きやすい環境を作ることができるのではないかと、改革に着手しました。最初は、社員が選択できる場所と時間の組み合わせで9種類の働き方を用意し、各人がどんな働き方をしているかを全員で共有しました。選択した働き方によって給与も調整しました」。
また、同社の日本本社での在宅勤務は10年前に開始された。「最初はニーズがあったのでやってみました。慣れてきた時に、あの東日本大震災が起こりました。ほとんどの会社が自宅待機になったところ、僕らはたまたま在宅勤務を導入していたので、3月13日の決算発表も無事に済ませることができました」。
さらに、アフターコロナの働き方について、山田さんは次のように話した。「リモートワークに移行していくはずです。アメリカは訴訟社会だから、会社が出勤しろと言って、(感染など)もしものことがあったら補償してくれるか、という話になるでしょう。リモートが進んでいない企業は、人材採用でも不利になります」。
最後に「新しい時代のマネジメントは平等から幸福にシフトしていきます。平等はケーキを3人で三等分にすること。一方、幸福はそれぞれが幸せな手段を取ること。つまり、1人は甘いのが苦手、2人目はダイエット中であれば、分ける必要はなく1人に全部をあげればいいのです。一人一人が何を求めるのか、それを理解し、各人に合った多様な働き方を提供することがこれからのマネジメントには重要です」と、コロナこそが企業の風土改革のチャンスだと呼びかけた。