2020/7/16
去る6 月23 日、コロナ後のニュー・ノーマルに対応する企業に生まれ変わるためのアイデアや情報を提供するビジネスセミナーをオンラインで開催した。
[講 師]
白川克さん
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社COO。IT投資計画策定、人事、会計、販売管理、顧客管理、ワークスタイル改革、全社戦略立案など、幅広い分野のプロジェクトに参加。
[講 師]
広部誠さん
Calsoft SystemsシニアERPコンサルタント。2012年、同社に入社以来、多数のERP導入プロジェクトに中心メンバーとして従事。現在は主に米国中西部の日系企業を担当している。
第1部は「今がその時! 成功する変革プロジェクトの作り方~実際のプロジェクト事例をベースに考える」と題し、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの白川さんが講師を務めた。白川さんは最初に「変革プロジェクトで実施されるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、新たなIT技術を活用しつつ、ビジネスモデルを変えたり業務のやり方を大きく変えたりすることです」と話した。
白川さんが手掛けた生命保険会社のDXでは、営業職員が持つ携帯端末の刷新を行った。プロジェクト前の議論で分かったことは「縦割り組織をつなぐリーダーが不足している」「社外の風を取り入れた経験がない」「なるべく自前でやりたい」「優秀な人材を多数投入可能」だという点。最初の半年でコンセプト固め、業務調査、システム調査、課題分析、施策立案、プロジェクト計画立案を行い、その後の2年半で業務プロセス設計、要求定義、システム設計と開発、浸透教育、さらに稼働フォローで完遂した。その結果、ユーザー(営業職員)から好反応が得られたということだ。
第2部はCalsoft Systemsの広部さんが、過去3年で急速に普及したクラウドERPとその活用事例について解説した。ERPシステムとは、企業の業務を統合管理する「基幹業務システム」で、そのシステムをクラウド上のサービスとして利用できるのがクラウドERPだ。
クラウドERPの特徴について広部さんは、「定額の利用料金で使用することが可能」「システム・サーバーのメンテナンスが不要」「定期的なアップデートにより常に最新バージョンを利用可能」「インターネット経由でシステムにアクセスするため、自宅・出張先から自由にアクセス可能」「ウェブブラウザがあればシステムを利用できるため各自のPCにインストール不要」「自社資産として保持しないため、より良いシステムサービスに乗り換えがしやすい」という点を挙げ、「すでに、ITシステムは持たない時代です。クラウドERPはカスタマイズできないというのは過去の話であり、倉庫・工場の現場系の機能もクラウドERPで対応できます。承認・電子サイン・帳票の電子保管やバーコードでの在庫管理も可能です」と説明した。