JBAは毎年、北加日本商工会議所（JCCNC）と共同で、州都サクラメントを訪問している。今年は新型コロナウイルスの影響に配慮しながら、去る９月７日、８日に実施した。

〈今回の訪問日程〉

■ 9月7日（火）
・ Robert Hertzberg上院議員との会談
・ Al Muratsuchi下院議員との会談
・ Eleni Kounalakis州副知事との会談
・ カリフォルニア州経済促進知事室（GO-Biz）とのミーティング

■ 9月8日（水）
・ カリフォルニア陸運局（DMV）とのミーティング
・ カリフォルニア災害対策知事室（Cal OES）とのミーティング
・ カリフォルニア商工会議所との会談（オンライン）

  

今年もDMVやGO-Biz、Cal OESなどと議論
Muratsuchi下院議員との会談

　JBAは毎年、北加日本商工会議所（JCCNC）と共同で、カリフォルニア州都サクラメントを訪問している。新型コロナウイルス・パンデミックの影響に配慮しながら、今年は9月7日、8日の2日間で訪問を実施した。同訪問は、州政府や関係団体との関係維持・強化を図る目的で20年間以上実施しており、今年もJBA会員からいただいたアンケート回答を基に、日系企業が州内で事業活動を行う際に直面する課題を中心に議論を行った。Eleni Kounalakis州副知事やサウスベイ地域を地元とする唯一の日系人議員Al Muratsuchi下院議員との会談では、地域経済に対する日系企業の貢献度をアピールし、さらに日本企業の投資を増やすにはどうすべきか意見交換を行った。その他、DMV、GO-Biz、Cal OESといった州政府の複数の機関と会談し、日系企業およびその社員が抱える課題に関して議論した。

Eleni Kounalakis州副知事との会談

　Eleni Kounalakis州副知事と約１時間のミーティングを行った。副知事クラスの州要人と会談できるのは非常に稀なことである。副知事はニューサム知事と共にカリフォルニアへの投資促進を重要課題として捉えており、経済促進の役割を担うGO-Bizへ多くの予算を配分している。2022年3月には日本訪問が予定されており、副知事ほか、Dee Dee Myers（Director of GO-Biz）、Liane Randolph（Chair, Air Resources Board）、David Hochschild （Chair, Energy Commission）、Karen Ross（Secretary, Department of Food and Agriculture）など、閣僚４名が同行する予定となっている。
　副知事からは、特に①クリーンエネルギー、②水素技術、③公共インフラ（水素ステーション含む）、④農産物の4分野で、日本とのビジネス協業強化に期待しているとコメントがあった。来年の日本訪問前に最低5つの投資案件を発掘し、訪問中に契約締結サインができるよう協力してほしいとのコメントがあった。JBA/JCCNC からは、日本からの新規投資支援を担うJETROとも連携し、どのような形で州政府を支援できるか検討していきたいと回答した。

GO-Bizとのミーティング

　「GO-Biz（Governor’s Office of Business and Economics Development（経済促進知事室）」は、カリフォルニア州の経済促進と雇用創出のための州知事特命機関である。GO-Bizからは、Emily Desai副ディレクター、Henan Liアジア担当が参加したほか、Dee Dee Myersディレクターからビデオメッセージにより、日本企業による州内への投資および長期的な相互交流に対して感謝の言葉をいただいた。近年、企業の州外移転が多く見受けられるが、一貫した企業成長とリーダーシップを発揮できる風土、教育レベルの高さ、高度な貿易インフラ、ダイバーシティーに富んだ文化など、カリフォルニア州でビジネスを行う利点は多くあるとコメントがあった。
　日本とのビジネス協業で特に力を入れたい分野としては、ZEVなどのクリーンエネルギー、水素技術（燃料電池、水素エンジン含む）、公共インフラ（水素ステーション含む）などが挙げられた。GO-Bizとして日本企業への支援提供を積極的に行いたいと申し出があり、セミナー、交流イベントなどの共同開催を検討していくことを確認し合った。

カリフォルニア陸運局（DMV）とのミーティング

　カリフォルニア陸運局（DMV） のTrina Washington副長官（免許証担当）およびBernard Soriano副長官（オペレーション担当）を含む3名との会談は、コロナ感染対策のためオンラインで行われた。JBA会員からのアンケートで寄せられた質問を中心にQ&A形式で会議が進められた。日本からの赴任者が運転免許を取得する際、長期間かかっていることが問題になっていることを伝え、日本の運転免許証保持者に対してカリフォルニア州免許証を自動発行できないのか議論した。ソーシャルセキュリティー番号と運転免許証取得の双方の関連および要する時間に関しても議論し、個別問題がある際はWashington副長官がサポートしてくれることを確認した。また、Soriano副長官からは、自動運転車の実用化に向けたアップデートの説明があり、着実に進んでいることが確認できた。

カリフォルニア災害対策知事室とのミーティング

　カリフォルニア災害対策知事室（Cal OES）のAbby Browningチーフ（民間担当）およびRichard J.McCarthyエグゼクティブディレクター（地震委員会）を含む3名との会談では、山火事やState Hazard Mitigation Plan（災害リスク低減プラン）に関しての現状の説明があった。JBAからは日系企業の知識や技術を活用してもらうよう働きかけを行い、今後、連携を取っていくことを確認した。

その他の出来事

　その他、カリフォルニア商工会議所幹部とオンラインによる会談を実施し、カリフォルニア経済・産業動向について意見交換をした。今回のサクラメント訪問の成果も踏まえ、JBA会員企業がさらに有意義な情報収集やメリットを享受できるよう、引き続き取り組んでいく。

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