2024/8/5
去る6月20日(木)、JBAがStrategic Alliance Partner契約を締結しているLAEDC(Los Angeles County Economic Development Corporation=ロサンゼルス郡経済開発公社)の傘下機構、WTCLA(The World Trade Center Los Angeles)が、Hyatt Regency Long Beachで「Select LA Investment Summit 2024」を開催した。15年の初回開催以来、南カリフォルニア地域への海外直接投資(FDI)の促進を目的に毎年開催されている同イベント。内容は最新の投資動向や経済データなどの共有、経済専門家や自治体、ビジネスリーダーなどによる基調講演やパネルディスカッション、ネットワーキングなど多岐にわたり、今年も多くのビジネスリーダー、投資家、政府関係者らが集まった。そして、JBAからは南浦JBA会長、商工部会の徳丸部会長、伊藤副部会長、酒井副部会長、安江専務理事らが出席した。
当日朝9時になると、LAEDC およびWTCLAのプレジデント兼CEO、Stephen Cheungさんのファシリテーションによりプログラムがスタート。そこから同イベントの支援機関であるSelectUSAのエグゼクティブ・ディレクターJasjit Singhさん、Karen Bassロサンゼルス市長やGeorge Chenトーランス市長、曽根健孝・在ロサンゼルス日本国総領事などの挨拶に始まり、宇宙開発ビジネスに関するパネルディスカッション、ロサンゼルスにおけるスタートアップブームの現状、ロサンゼルスおよびロングビーチ地域におけるサプライチェーンの再活性化についてのセッション、「2024 FDI Report of California」の発表(詳細は後述)、LA産業を支える協業エコシステムやロサンゼルス郡でビジネスを成功させる秘訣についてのセッションなど、イベント終了の4時までさまざまなプログラムが行われた。
さて、毎年大きな注目を集める同イベントのハイライト、「FDI Report of California」の2024年度版(詳細はコチラ)の発表では、まずLAEDC応用経済研究所のシニアディレクター、Shannon Sedgwickさんが概要を説明。「今回のレポートによると、23年の1月~12月の調査期間には1万8484社の外資企業があり、約80万人の雇用を生み出しました。都市レベルでは、サンディエゴ、ロサンゼルス、サンノゼ、アーバインなどに外資企業が集中しています。今回は本調査の開始以来初めて、イギリスがカリフォルニア州全体における雇用者数で1位(11万3292人)となりました。同国がサービス、建設、ホスピタリティーの分野で大きな成長を遂げたためです」などと話した。
続いて、「2024 FDI Report of California」の主要な作成者の一人であるロヨラ・メリーマウント大学・国際ビジネス教育センター・マーケティング准教授のRichard Tangさんが壇上に上がり、「ドイツ、フランス、イギリス、日本、カナダなどの海外投資上位国以外にもブルネイやポーランド、ナイジェリア、サウジアラビア、イスラエル、バーレーンなどからの投資成長率が高いこと」「カリフォルニア州は高コストではあるものの生産性はテキサス州などと比べても遥かに高いこと」「カリフォルニア州全体への海外からの投資による雇用のうち4分の1がロサンゼルスで生み出されていること」「ロサンゼルスは教育、専門サービス、交通など多様な産業が発達しており、イノベーションを促進していること」などについて熱弁した。
以下は、「2024 FDI Report of California」から、南カリフォルニアにおける海外直接投資ランキングの部分を抜粋したものだ。日本はこれまで毎年、雇用者数、企業数、推定賃金総額で1位となっていたが、今回は推定賃金総額でイギリスに抜かれた。ただし、カリフォルニア州全体における推定賃金総額においては日本が1位をキープしている(州全体での雇用者数は11万2673人でイギリスに次いで2位)。
以上、今回の「2024 FDI Report of California」では、日本がカリフォルニア州への投資国として、引き続き大きな存在であることが浮き彫りとなった。JBAとしては、州政府や自治体、企業への周知をさらに徹底していくと共に、日系企業のカリフォルニア州でのビジネスを力強くサポートすべく、LAEDC、WTCLAとの良好な関係を継続していく意向である。