2022/12/27
去る12月11日(日)、栄養コンサルタントのジュグナ美和さんを講師に迎えた、健康的な食品選びについて解説するウェビナーを開催した。
[講 師]
ジュグナ美和さん
Wellness Creations代表(ホリスティック栄養学講師・栄養コンサルタント)。実践的な食の講座をプロデュース。ウェルネス関連企業での社員向け講座、フィットネスコーチ向けの「サプリメントの安全で効果的な摂り方」など、幅広いトピックの講座を提供。
最初に、林教育文化部会長が「食育は健康な生活を送る上で不可欠です。今日のウェビナーが正確な知識を身に付けるための一助になればうれしいと思います」と冒頭の挨拶で語った。
続いて登場した講師のジュグナさんは「実は、食は何を食べるべきかよりも、何を食べない方がいいか、つまり人間の体によって必要のないものは極力取り入れないということの方が大切です」と話した後で、基本的な食育の考え方としてSOUL FOODSというキーワードを紹介した。「SOUL FOODSのSOULのSは季節のもの(seasonal)、Oは化学農薬を不使用のもの(organic)、U は加工していないもの(unprocessed)、そしてLは地元のもの(local)です。この条件に当てはまる食品を選ぶようにしてください」。
次にホールフーズと加工食品の違いを解説した。「加工されていないホールフーズは、カロリーは低いですが、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で栄養密度が高く、一方の加工食品はその反対でカロリーは高く、栄養密度が低くなります。現代病の原因の一つが食物繊維の摂取が減っていることです。加工食品の摂取が多くなると食物繊維が不足するだけでなく糖分も過多になります」。
次に1日に摂取しても良い砂糖の量については、「実は砂糖は塩と違い、絶対に必要な栄養素ではありません。(砂糖の摂取が)ゼロに近ければ近いほど理想的です。WHOが定めた砂糖の1日の摂取量は25グラムほどです」と話し、この25グラムは甘い飲み物1杯を飲めば軽く超える量であり、常に糖質の量を確認することが重要だと強調した。
そして、食品を選ぶ際の目安となる栄養表示の見方について、次のように解説した。「栄養表示のところにサービングサイズごとの栄養素の量が書いてありますが、通常は容器に入っている量とサービングサイズが異なることに注意してください。また、原材料表示は分量が多い順に表示されていますので、たとえば2番目に砂糖と書いてあるということはかなり糖分が含まれているということになります。原材料の数が少ない食品の方がヘルシーですので、その数が少ないものを選ぶようにしましょう」。
さらに砂糖の種類の違いについても次のように解説した。「覚えておきたいこととして、同じ砂糖でもcane sugarとsugarでは違うということが挙げられます。cane sugarはサトウキビですが、sugarはテンサイトウ由来のことが多いです。そしてテンサイトウは遺伝子組み換えが多いので、遺伝子組み替え食品を避けている方は、単にsugarと書いてある場合は要注意です」。
また、避けたい食品添加物としてハムやソーセージに含まれている亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウムを挙げた。「これらは色のきれいな加工肉を作るために使われる発色剤です。安い肉の見た目を良くするため、また賞味期限を延ばすために用いられているのです。アメリカではTrader Joe’sなどが比較的危険な添加物を使用していないいないハムやソーセージを売っています。Whole Foods Marketもあります。原材料が肉と水と塩とスパイス程度のハムやソーセージをお勧めします。ただし、賞味期限は短くなってしまいます」。
加工肉に関連して、安全なパンについても触れた。「スーパーではなく、ベーカリーのパンを買った方がいいです。ブランドによっては原材料のリストがあまりにも多いパンもあります。家庭でパンを焼く場合は小麦粉、塩、砂糖、水、オイルですよね。買う場合も極力それに近いものを選ぶと良いでしょう」。最後に参加者からの質問に答え、1時間半に及んだセミナーを終了した。