2018/2/20
去る2月20日、在ロサンゼルス日本国総領事公邸で、「The JBA 57th Anniversary Reception」(JBA創立57周年記念祝賀会)を開催した。当日は総領事やJBA会長、トーランス市長などの要人をはじめ、JBA会員企業から多数参加。日米両国から総勢約150人を招いての盛大な祝賀会となった。
ロサンゼルスでは珍しく連日冷え込みが厳しい中、午後5時過ぎから続々と人が姿を見せ始めた。参加者らは公邸のエントランスで受け付けを済ませ、レセプションホール横に広がる日本庭園に移動。各種ドリンクを片手に、祝賀会が始まるまで他の参加者らと談笑を楽しんだ。
午後6時。司会を務めるジャパン・ハウス ロサンゼルス館長の海部優子JBA筆頭副会長が開会をコール。庭園にいた参加者らがホールに入った。海部筆頭副会長はまず、同祝賀会開催にあたり千葉明在ロサンゼルス日本国総領事が公邸を提供してくれたことと、総領事婦人が自身で花を生けて飾ってくれたことに謝辞を述べた。
次に千葉総領事が壇上に立ち、流暢な英語で挨拶。「目まぐるしく変化する世界情勢の中、これまで日米は非常に強固な絆で結ばれてきました。安倍首相とトランプ大統領はすでに5回面会しており、電話会談に至っては18回も行っています。大体月2回のペースでコンタクトをとっているなど、日米はこれまでになく密な関係にあります」と良好な日米関係をアピールした。そして、「57年前に48社の日系企業がJBAを立ち上げて以降、現在では約500社が参加。その中には世界的な大企業も入っています。これらJBA企業が中心となって南カリフォルニアの経済で大きな役割を果たしてきました。同時に、教育支援や清掃活動など地元への貢献活動も実施。今後も引き続き日米関係の強化に努めてほしいと思います」と希望を語った。
次に、General Manager of Los Angeles Economic and Workforce Development Departmentの
ジャン・ペリーさんが挨拶。57周年に祝辞を送り、こう話した。
「これまでJBAと共に仕事をしてきましたが、そのおかげで国際貿易を理解し、個人的にも成長できました。JBAは日系ビジネスへのサポートと同時に、カリフォルニア、特にロサンゼルスの経済に多大な影響を与えてきました。例えば約700社の日系企業が、南カリフォルニアをベースに約5万のビジネスを創出してきました。そのうち実に70%がロサンゼルス郡に拠点を構えています。日系企業の存在が特異なのは、現地で新しい雇用を創出していることです。今後も引き続き良好な関係を維持し、カリフォルニア経済への貢献を期待したいです」。
続いて、石川斉JBA会長が、「皆さま、ようこそ祝賀会にいらっしゃいました。この場を借りて、総領事夫妻および参加者各位に御礼申し上げます。さて、明確な数字は分かりませんが、JBAに関係する人数はその家族も含めると最低4500人はおります。ロサンゼルスの全人口からすれば少数ですが、毎年このうちの3分の1、約1000人が入れ替わりロサンゼルスに来ており、この57年間で約5万7000人がJBAを通じて南カリフォルニアの生活を経験したことになります」と挨拶。4時間かけてこの複雑な計算を行ったとして会場の笑いをとりながら、続けてこう語った。
「重要なのは、こうした日本人が地元の方々から多大なる支援を受けてきたことです。日本人が集中するトーランス市、日系人の故郷であるリトルトーキョーがあるロサンゼルス市など、これまでどれほど多くのサポートをいただいてきたか分かりません。心から感謝しております」。
JBAの歴史を描いたビデオを上映した後、パトリック・ヒューレイ・トーランス市長が挨拶。トーランス市には約250社の日系企業の本社があるとして、これまで長年日本人の豊かな歴史を共有できたことに感謝した。また、同祝賀会に招待を受けたことに喜びを述べ、今後の100年間も引き続き強固な協力体制を期待しているとした。
次にサクラメントからの特別ゲストとして、カリフォルニア運輸局(DMV)のディレクター、ジーン・シオモト氏が挨拶し、DMVの仕事内容を簡単に紹介。中でもDMVのハンドブックを日本語に翻訳して配布し、日本人がより完全に交通ルールを理解した上で試験に臨めるよう便宜を図っているなどの実績を強調した。
次に海部筆頭副会長がジャパン・ハウスの業務内容を紹介。同施設が、ロンドン、サンパウロに続く3カ所目としてロサンゼルスに設立されたと話した後、ギャラリーのほか、ショッピングやレストランエリアがあること、さらにロサンゼルス有数の観光スポットに同館を構えたことで、多くの人に五感を通して日本を体験してほしい旨を語った。
海部筆頭副会長の話が終わると、総領事やJBA会長をはじめ、挨拶に立った主賓らが法被を着用。槌を片手に、掛け声と共に威勢よく鏡開きを行った。そして参加者に日本酒がふるまわれ、杯を片手にWorld Trade Center Los Angelesの所長、スティーブン・チャン氏が挨拶に立ち、こう語った。
「57周年おめでとうございます。日系社会はこれまで何千という仕事と雇用を生み出してきたとてもパワフルなコミュニティーです。昨年は8万7000件の仕事を創出し、今年はもっと増えると思われます。これまでの長年にわたる多大なサポートをありがとうございます。そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。乾杯!」。
乾杯が終わると、参加者らは日本庭園に移動。宮崎牛のステーキや寿司、たこ焼き、そばなど、多彩な日本食が提供されたブースに集まり、閉会時間まで和やかに親睦を深めた。
海部優子筆頭副会長 |
千葉明在ロサンゼルス日本国総領事 |
General Manager of Los Angeles Economic and Workforce Development Departmentの ジャン・ペリーさん |
石川斉JBA会長 |
パトリック・ヒューレイ・トーランス市長 |
カリフォルニア運輸局(DMV)の ディレクター、ジーン・シオモトさん |
日本から渡米したミス酒の田中梨乃さん |
スピーチをするスティーブン・チャン氏 |
乾杯する千葉総領事とスティーブン・チャン氏 |
日本庭園で談笑を楽しむ参加者ら。