2018/2/3
去る2月3日、「2018年度外務省主催日系人リーダー訪日プログラム」の壮行ディナーをリトルトーキョーのMiyako Hotel Los Angeles Downtownにて開催した。当日は、全米から選出された日系人リーダー10名をはじめ、日本国総領事館関係者、米日カウンシル関係者、JBA関係者らが多数出席した。
外務省が主催する「日系アメリカ人リーダー招聘プログラム(Japanese American Leadership Delegation Program)」は、日系人と日本人との相互理解を通じた日米関係強化を目的として2000年に発足したもので、今年で18年目となる。毎年10~15名の日系人リーダーが全米から選抜されて日本に招待されており、今年は10名が3月初旬~中旬にかけて訪日予定である。訪日中は、安倍晋三総理大臣をはじめとする政府高官や政治家、財界人らと面会し、多岐にわたる分野で意見交換するほか、日米関連のシンポジウムなど、連日息をつく暇もないほど濃密なプログラムが予定されている。
これに先立ち、2月2日、3日の2日間にわたり、ロサンゼルスでオリエンテーションが開催され、その締めくくりとしてJBA商工部会主催の壮行ディナーが開催された。松下直商工部会長にJALDに対する思いを聞いたところ、「各方面で活躍する日系人の皆さんに訪日していただき、日本についてより深く知り、また自分のルーツを知り、日本をもっと好きになっていただくことで、その日本をアメリカのいろいろなところでアピールしていただけることを期待しています。このJALDとの関係が、アメリカの地で事業拡大に奮闘する日系企業の皆さんのお役に立つことを願っています」と語った。
ディナーは海部優子JBA筆頭副会長のユーモアに富んだ進行で進められた。最初の挨拶は、石川斉JBA会長。JBAの活動と歴史を紹介する映像が流された後、「ぜひ訪日プログラムを通して、現在の日本を見つめ、耳を澄ませてみてください。そして、私たちに日本再生のためにどのようにすべきかお考えをお聞かせください。私たちJBAはあなた方のアドバイスを参考に、日本を元気づけていきたいと考えています。素晴らしい旅をしてください。そして、たくさんおいしいものを食べてきてください!」と訪日団を激励した。
次に、訪日団を率いるアイリーン・ヒラノ・イノウエ米日カウンシル会長が壇上に立ち、JBAのJALDおよび米日カウンシルに対する長年のサポートに謝意を表した。そして10人の訪日団を紹介し、10人それぞれが自己紹介を行った。
続いては千葉明在ロサンゼルス日本国総領事が乾杯の挨拶に立った。全米日系人博物館や強制収容所跡地をはじめ全米各地の日系人史関連史跡を積極的に訪れている千葉総領事は、サクラメントのカリフォルニア博物館で出会った日系人史に関するパネルを紹介。第二次世界大戦中の強制収容の経験を、ユーモアさえ感じさせる第三者的視点で見る日系アメリカ人の証言を引用しながら、「そのユニークなスタンスは日系アメリカ人共通のものに感じられます」と話した。また「そうした苦難の経験を共有しない世代であっても、出会った瞬間から兄弟姉妹のような絆を持つ日系アメリカ人のレガシーは、JALDの中にも息づいていますし、これからも続いていくことを願っています」と述べた。そして、訪日団が帰国後にコミュニティーもたらすものに期待を寄せつつ、勢い良く乾杯の音頭を取った。
ディナーの最中にはディナー出席者全員がかわるがわる自己紹介する場面もあり、JBAと米日カウンシルの参加者、および訪日リーダーらは親しく言葉を交して、交流を深めていた。
2018年訪日日系人リーダー(敬称略)
• Sheri Bryant (Vice President, Strategic Business Development, Linden Lab / San Francisco, CA)
• Darcy Endo-Omoto (Vice President of Government and Community Affairs, Hawaiian Electric Company / Honolulu, HI)
• David Inoue (Executive Director, Japanese American Citizens League / Washington, DC)
• Denise Moriguchi (President & CEO, Uwajimaya, Inc. / Seattle, WA)
• Monica Okada Guzman (CEO, Managing Director, Galaide Group, LLC / Mangilao, Guam)
• David Ono (News Anchor, KABC-TV / Los Angeles, CA)
• Laurie Van Pelt (Director of Management & Budget, Oakland County, MI / Waterford, MI)
• Lisa Sakai (President & CEO. TransAgra International Inc. / Chicago, IL)
• June Taylor (Executive Director and State Personnel Director, Colorado Department of Personnel & Administration / Denver, CO)
• Chris T. Uehara (Assistant Chief, Portland Police Bureau / Portland, OR)
デイビッド・オノさん
「ジャーナリストとして何度も日本を訪れたことがありますし、日本には親戚もいます。しかし、このJALDプログラムを通して『日本』を別の側面から、つまり外から見た日本ではなく、内側から日本を見られると聞いています。また、そうした経験が実際にできることを楽しみにしています。世界に違いをもたらすことができる人々と出会えるこの機会は、ジャーナリストである私にとってとても価値のある経験になると予期しています」。
デニス・モリグチさん
「私がCEO & Presidentを務めているスーパー、宇和島屋は日本と強い関係を持っており、日本との関係性がビジネスに大きく寄与しています。ですから日本というルーツや文化やビジネスに対する知識や理解、コネクションを深化させるため、このプログラムに応募しました。政治、経済など多様な分野の方に会えることがまず何より楽しみです。このプログラムを通した訪日は、これまでと全く違った経験になると思っています」。