JBA 南カリフォルニア日系企業協会 - Japan Business Association of Southern California

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2016/6/17

商工部会「Foreign Direct Investment in Southern California」公開

去る6月17日、南カリフォルニアにおける諸外国からの投資や企業数、雇用創出等のデータをまとめた「Foreign Direct Investment in Southern California」(南カリフォルニアの海外直接投資報告書)が発表された。JBAはこの報告書のスポンサーとして協賛した。

FDIR

Select LAにて報告書を初公開

去る6月17日、JBAの協力団体であるロサンゼルス郡経済開発公社(LAEDC)の傘下機構であるThe World Trade Center Los Angeles(WTCLA)が、「Select LA Investment Summit 2016」を開催した。南カリフォルニアにおける貿易動向、ロサンゼルス郡での直接的な投資機会の拡大やマーケットトレンドなどについてプレゼンテーションやパネルディスカッションが行われ、400名を超える国内外のビジネスリーダーが一堂に会するイベントとなった。

「Foreign Direct Investment in Southern California」(南カリフォルニアの海外直接投資報告書)は、この17日のイベントの中で初めて一般に公開された。これはWTCLAが主導して作成し、南カリフォルニアにおける諸外国からの投資や企業数、雇用創出等のデータをまとめたものである。JBAは日系企業の雇用創出をはじめとする地域への貢献度やその力強くポジティブな印象を客観的かつ公式なデータで示すことが重要であると認識し、同レポート作成にあたりスポンサーとして協賛した。

当日は、WTCLAプレジデントのスティーブン・チャン氏と、同報告書のリードリサーチャーを務めた、LAEDCのシニアバイスプレジデントのクリスティーン・クーパー博士が、報告書の内容を発表した。米国外からの投資については、これまで国レベルでのデータは存在したものの、南カリフォルニア(ロサンゼルス、オレンジ、リバーサイド、サンバナディーノ、サンディエゴ、ベンチュラの6カウンティー)といったレベルで調査が行われたのは初めてである。なお、ロサンゼルスカウンティーについては2009年に行われたものが存在する。


南加の外資系による投資と地域への雇用貢献
日本が第1位

世界各国における国外からの投資が2015年には合計1.7兆ドルを記録する中、投資先としての米国は国別で世界一で、全体の23%にあたる3,840億ドルの投資が行われている。

これを新規投資(グリーンフィールド投資)のプロジェクト件数からみた場合、カリフォルニア州は投資件数としては全米一、投資金額ではニューヨーク州、テキサス州、フロリダ州に次いで第4位となっている。

南カリフォルニアの新規投資金額(2003-2015年)を国別で見ると、1位は日本で15.0%(44億8,100万ドル)、2位はドイツで12.0%(35億9,000万ドル)、3位は中国で11.0%(32億8,100万ドル)、4位はイギリスで10.8%(32億800万ドル)、5位はフランスで10.2%(30億5,200万ドル)だった。

一方、カリフォルニア州の非農業部門雇用者数1550万人(2015年)のうち、外資系企業が生み出している雇用は4.1%(63万1,500人)。外資系企業による雇用者数の国別の内訳は、日本が19.3%(12万1,600人)、イギリスが14.5%(9万1,700人)、スイス10.5%(6万6,500人)、フランス10.4%(6万5,900人)、ドイツ10.2%(6万4,700人)などである。

南カリフォルニアでは、直接、間接雇用を含めた外資系企業による雇用は全体の8.1%を占めるが、その中で日本は州におけるそれよりもさらに存在感を増し21.7%(7万9,403人)で第1位である。2位は15.0%(5万4,910人)のイギリス、3位は8.9%(3万2,594人)のドイツ、4位は8.9%(3万2,558人)のフランス、5位は7.2%(2万6,230人)のカナダと続く。

マスメディアでは中国からの投資に関する報道が多く、多くの参加者が南カリフォルニアにおける外資系企業が生み出す雇用も中国が1位ではないかと想定していたが、予想とは大きくかけ離れ、中国は1.8%の13位に留まった。

これらの事実についてWTCLAプレジデントのスティーブン・チャン氏は、「本報告書は思い込みと実際の数字の乖離をまざまざと見せてくれました。中国は私たちの最大の貿易相手国であり、その友好関係は今後も続いていきますが、米国にとって非常に長い友好国であるその他の国々を忘れてはなりません。1960年代、70年代に行われた日本からの投資が今のロサンゼルスを形作りました。それにイギリス、ドイツ、フランス、カナダ…さまざまな国がロサンゼルスエリアで投資し、今後もここで活動を続けていきます。私たちはメディアの露出に左右されるのでなく、あらゆる国と友好関係を続けていくべきで、その友情関係がロサンゼルスをさらに魅力的な投資先にしてくれるでしょう」。

JBAは今後、このデータを基に日系企業の南カリフォルニアへの貢献を地域社会にさらにアピールし、日本企業のビジネス環境の改善に取り組んでいく所存。なお「Foreign Direct Investment in Southern California」の詳細は、http://laedc.org/2016/06/17/report-foreign-direct-investment-socal から閲覧可能。

WTCLAプレジデントのスティーブン・チャンWTCLAプレジデント(左)とLAEDCシニアバイスプレジデントのクリスティーン・クーパー博士

WTCLAプレジデントのスティーブン・チャンWTCLAプレジデント(左)とLAEDCシニアバイスプレジデントのクリスティーン・クーパー博士

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