1968年香川県高松市生まれ。91年に同志社大学商学部を卒業。四国化成工業株式会社に入社し、経理部に配属。97年、Shikoku International Corporationに出向し、米国に赴任。2002年に日本帰国後、07年に再び渡米し現在に至る。
初めての米国赴任は1997年。四国化成工業株式会社からShikoku International Corporationに出向したのを機に、妻と子ども2人を連れて海外転勤しました。入社当時から海外勤務に憧れていたので、願ったりかなったりの辞令。日本とは全く違う環境で自分を試してみたかったのです。5年後の2002年に帰任が決定。四国化成工業に戻って海外営業部配属となりました。
しかし、07年に再びShikoku Interational Corp.に出向し渡米。子どもが大きくなっていたため家族は日本に残り、今回は私だけの単身赴任です。四国化成工業は、「無機化成品」「有機化成品」「ファインケミカル」などの化学品と「内装壁材」「エクステリア製品」などの建材製品の製造・販売が主要事業です。無機化成品とは、ゴムの強度を高める「不溶性硫黄」や入浴剤や合成洗剤、染色助剤に利用される「中性無水芒硝」などのこと。有機化成品は、プールや入浴施設などの殺菌・消毒剤や、生活・産業排水処理剤などの製品で、ファインケミカルはIT機器や自動車の基幹部品、家電製品で使うエポキシ樹脂などに使用される製品です。これらの化学品や建材製品を北米で輸入販売しているのが弊社です。
私は現在ゼネラルマネジャーで、米国での事業全体を管理しています。中でも私の使命は、壁の内装材、いわゆる「塗り壁」の販路拡大です。塗り方を変えることでデザイン性に富んだ壁を作れる内装材ですが、ペンキの国アメリカでは「塗り壁とは何か」から始まり、その使用法や効果などを一般社会に知ってもらうところから始めなくてはなりません。現在のお客様はインテリアデザイナーや建築事務所などで、利用される場所もレストランなどと限定的です。しかし将来は、一般量販店に商品を並べ個人の消費者に直接買っていただくのが私の夢です。
今年で通算14年目を迎える米国生活で、私の視野は広がりました。日本は同じ価値観を共有し、言葉にしなくても分かり合える文化だと思いますが、人種や文化が違う人たちが暮らす米国では多様な考え方があって当たり前。その多様性を強みに社会が機能しています。どちらがいいということはありませんが、相手を尊重しながらも言うべきことは言う姿勢がビジネス上のコミュニケーションには重要なのだと学びました。
休みの日はもっぱらロードバイクを楽しんでいます。始めたのは5年ほど前で、最初はエクササイズのつもりで普通の自転車に乗っていました。しかし、走っていてもロードバイクに追い抜かれちゃうんです(笑)。それが悔しくてロードバイクを購入。自分なりに知識を付け、今では自分のペースで自由に走りストレス解消に役立っています。出張がない限り、毎週末2~3時間はアーバインの自宅から海や山に行っていますよ。
単身赴任ももう8年目。年に4回ほどは日本に帰って家族水入らずで過ごしていますが、子どもにとって私が遠くにいるのはもはや当たり前のようです。私は米国生活でたくさんのことを学びましたので、子どもにも多感な時期に海外生活を体験してほしいと思っています。帰国のたびにそれとなく言ってみるのですが、本人たちはあまり興味がないみたい。しかし昨夏に家族全員で米国旅行をした時、「アメリカもいいかもなぁ」なんて言い出して。もしかしたら少し興味が出たのかもしれませんね(笑)。
=Company Info=
Shikoku International Corporation◎ 四国化成工業株式会社の米国現地法人。米国での販売拠点として1985年に設立。四国化成工業が製造・販売する化学品および建材製品の北米における輸入・販売、マーケティングを担当している。