1968年熊本県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、92年に三井倉庫に入社。97年から1年間半LAで研修。2005〜09年はLA駐在、09〜10年はニューヨーク駐在。帰国後は、営業部を経て事業開発室勤務。13年よりLA駐在となり、現職。
このインタビューの前に趣味は何だろうと考えてみたんです。「料理」と言ったら、家族から「食べたいから作るだけでしょ」と。それで気が付いたのですが、趣味は食器洗いですね。倉庫屋の職業柄でしょうか。散らかっている物を片付けてキレイにするのが好きなんです。家族からも「確かにそうだ」とお墨付きを得ました(笑)。
今回の米国駐在は2013年からで3度目で、97年、05年に続き家族も一緒です。初の駐在の際、周囲の米人スタッフが、ご家族より一足先に渡米して単身赴任中だった先輩を見て「単身赴任なんて信じられない」と言うのを聞き、米国では家族との関係がどんなに重要視されるか知りました。また2度目の駐在の時には、十数年、米国勤務された方に「米国では家族を大事にしないマネージャーはいくら仕事ができてもダメだよ」と言われたこともずっと記憶に残っています。だから家族に「来た方がいいよ〜」と。子どもは学校が変わると大変な部分もありますが、世界中に友達ができて、コネができるんだと納得させています(笑)。今、家族はこちらの生活を満喫しているようです。
ここ数年は、月の半分以上に上るほど出張が多いので、週末をどのように家族と一緒に楽しく過ごすかが課題です。ですから、いかにして飛行機での移動時間を趣味や睡眠にあてるかが特技と言えば特技ですね。耳栓と枕、そしてアイマスクが3つの必需品です。写真のアイマスクは97年から使っているもの。洗濯はしていますよ(笑)。最近の週末はもっぱら子どものサッカー観戦とMLSのLA Galaxyの観戦ですね。どちらの観戦でも行ったらビールを飲んでいますので、グラウンドの外で私がしていることは同じですが。
97年の駐在から米国と日本を行ったり来たりしているのですが、米国と日本を比較すると、米国は目的志向と言えばいいのでしょうか、非常にプラグマティックですよね。目的を明確にすると、そこに向かって皆が走ってくれます。13年に米国に来てから会社のビジョンを「お客様第一」と定め直したのですが、私たちの企業価値はお客様に受け取ってもらって初めて見つけ出せるもの。その軸をぶらさないようにしようと思ったのです。
米国での倉庫業は、日本のように物を預かっておくような立ち位置ではなく、物流というサービスの一部です。つまり市場の状況が変われば、当社のお客様の業種も変わっていきます。それに応じて、必要とされるサービスも変わってきまよね。例えば、現在、当社は食品関係に力を入れているのですが、輸入通関のご相談や配送、包装なども提供するのが便利だろうか…と試行錯誤をしています。アメリカという国は商売の国ですから、物流もメジャー級の企業が集まっています。その中ではそこそこ頑張るのでは十分ではなくて、ビジョンを明確にして、一所懸命の5乗くらい頑張らないといけないと思うのです。
実は昨年10月に、各社がそれぞれの部門のプロフェッショナルを目指そうと、三井倉庫ホールディングスは分社化し、当社は三井倉庫インターナショナルの北米部門になりました。「お客様第一」を軸に、今後は北米をはじめ全世界の物流のプロとして、お客様にさらに便利なサービスを届けていけたらと思っています。
=Company Info=
MITSUI-SOKO(U.S.A.)INC.◎三井倉庫インターナショナルの米国拠点として、北米における倉庫保管、輸送など物流サービスを全米6拠点で提供。1971年にオフィスを開設し、82年に正式に会社として設立。LAオフィスが米国本社。