1961年福島県会津若松市生まれ。上智大学文学部英文科卒業後、84年キヤノン株式会社に入社し、電子タイプライタ事業、事務機事業に従事。日本に10年、米国に20年滞在。2007年に3度目のアメリカ赴任。2009年より現職。
中学、高校から英語が好きで、教科書を丸覚えして点数稼いだんですよ。丸覚えが苦ではなかったのは英語だけでしたけれどね(笑)。英語を使った仕事がしたいとキヤノンに入社したのですが、海外に行ったのは27歳のときのハワイへの新婚旅行が初めてでした。飛行機に乗ったのもそれが初めてだったんです。その翌年、1989年にニューヨーク駐在に。英語は得意だと思っていましたが、電話になると相手の喜怒哀楽が分からず、顔が見えないと英語がこんなに理解できないのかと愕然としました。何とかなるまでに半年はかかりました。語学を習得するには、やはり現地で生の言葉に触れなくてはなりませんね。
アメリカ駐在は通算で20年になりますが、仕事では毎日現地人と一緒にやっていても、家庭習慣を完璧に理解するまでには至りません。文化の違いで誤解が生まれることもあります。また、自己主張をすることに慣れたアメリカ人の話をきちんと聞いて、完璧ではない英語で言うべきことを言うとなるとさらに難しい。そんな環境で人間関係をスムーズに進めるために、小さなことでもなるべく相手のオフィスにこちらから出向いて、面と向かって会話をするように心がけています。
2009年に、当社の西部地区オペレーション責任者として着任。当社が扱う複写機やFAX、プリンターなどの事務機業界のビジネスサイズは当時からあまり変わっていませんが、商品・事業内容においては大きく進化しました。複写機はコピーだけでなくプリントが可能になり、スキャンしてPCに送ったり、さらにそこにセキュリティーやソフトウェアを使って書類の管理をしたりなど、デジタル化と共に高機能化してきています。
キヤノンの事業はそれ以外にもカメラ、インクジェットプリンター、半導体製造装置と多様な分野に渡りますが、基本的にはそれぞれ独自のルートで販売してきました。しかしお客様から見れば、どの商品もキヤノンのもの。商品間の垣根を取り払ってもっと融合させた売り方ができないかと模索してきました。例えば、皆さんがカメラで撮影した写真を大判サイズで印刷して、その写真に付加価値を与えるようなサービスの提供です。
具体例が私の持っているこの写真。キヤノンのカメラで撮って、キヤノンのワイドフォーマットでキャンバス地に印刷して、木枠のフレームに仕立てました。近年一眼レフが結構売れていますが、そうなると次に人はもっとうまく撮りたい、自分の作品を残したいと思いますよね。せっかく撮った写真ですから、アルバムにしまっておくより、こういうふうにして飾ると満足感がありますし、思い出になります。
の写真は3年前にグランドキャニオンに家族で行ったときのもの。子どもが日本の大学に進学するまでは、家族でよく国立公園に行きました。入社以来30年間に日米で12回引っ越しをしましたが、かみさんはずっと一緒にいてくれました。やっぱり心強いです。必ずしも駐在生活は楽ではないので、よく付いて来てくれたと思います。
国立公園はあちこち行きました。残りの駐在期間では、コロラドにスキーに行くなど行ってない所に行ってみたいですね。同時に、仕事では売り上げと利益を上げていきながら、キヤノンとしてもっと面白い試みを続けていきたいと思います。
=Company Info=
Canon Solutions America, Inc.◎複合機等のビジネス機器、ソフトウェア、運用サービスを連携し、ドキュメントの効率的活用や新たな印刷ニーズに応え、オフィス環境整備やビジネス発展を支援。Canon U.S.A.の100%子会社。