第14回カリフォルニアフォーラムを開催
去る11 月15 日、トーランス・マリオットホテルにて、第14 回カリフォルニア
フォーラムが開催された。キーノート・スピーカーとして、加州下院議員のChuck
Devore 氏、加州商工会議所よりAllan Zaremberg 氏を招いた。「カリフォルニアが
ビジネスにおいて直面している問題点」「今年の加州議会におけるビジネスに影響
を与える法案の動向」について2人から詳しく説明がなされた。講演会の内容を一
部紹介する。
カリフォルニアのビジネス環境とその展望
デボア州下院議員

「カリフォルニアでのビジネス事情の真実を伝えます」と、デボア氏
私の住むオレンジ・カウンティ
ーには、多くの日系企業が存在し
ます。まず、カリフォルニアのビ
ジネスと政治の結びつきについて
説明しましょう。
私の後にスピーチするザレンバ
ーグ氏とは、サクラメントで共に
仕事をしています。残念なことに、
サクラメントにいる政治関係の人
たちはビジネスの実務経験を持た
ない人が多く、ビジネスの視点を
持って法案を取り上げる人が少な
いという現状があります。ザレン
バーグ氏はそういった人たちに向
けて、ビジネスの視点からの教育
に務めています。私の使命はカリ
フォルニアにおけるビジネス環境
について、真実をありのまま話す
ことだと考えています。そのため
に、他の政治家とは意見が異なる
かもしれませんがご了承くださ
い。
まず、皆さんが今、カリフォル
ニアでどのようなビジネス環境に
置かれているか、また、今後のカ
リフォルニアでのビジネスの展望
についてお話しましょう。
ドルの価値は現在、ユーロやポ
ンドに比べて史上稀に見る低さに
なっています。ドルと円、ドルと
ウォンの関係はそれほどではあり
ません。例えば中国の場合、国で
通貨を調整するシステムがありま
すが、アメリカには50 の州議会が
あり、それぞれが異なる税率を定
めています。医療施設、エネルギ
ー政策、キャピタルゲインなども
同様で、外国との貿易の規制以外
は、すべて州ごとに決められます。
カリフォルニア、そして日本も、
良い気候、美しい海岸など、とて
も恵まれた環境です。人々がとて
も良く働くという点も共通してい
ます。しかし、皆さんが個々でビ
ジネスをする場合、そんな美しい
ビジョンばかりも語っていられま
せん。ビジネス的に何が最も株主
に利益を与えることができるか、
考えなければなりません。
隣のネバダ州は課税措置におい
ては、全米4位の恵まれたビジネ
ス環境にあると言われています。
カリフォルニアは45 位です。他の
西海岸の州と比べてみても、ネバ
ダ州のビジネス環境はずば抜けて
素晴らしいものとなっています。
参考までにオレゴンは11 位、ワシ
ントンは10 位、アリゾナは28 位
となっています。
約160 年前に書かれたアレクシ
ス・ド・トクヴィルによる著書
『Democracy in America』には、
「アメリカは簡単に法案を通す
が、その法案を通すことによって
コスト問題を引き起こす」と書か
れています。確かにアメリカでは
すぐに法案を起こしますが、すぐ
にそのミスに気付き、法案を変え
る傾向があります。
現在、カリフォルニアの経済
は、他の州に比べて落ち込んでい
ます。州財政の赤字は上昇し続け、
それは予算の10%に達していま
す。それをなんとかして食い止め
る必要があるのですが、カリフォ
ルニアでは新しい法案を通すにも
議会の3分の2の承認が必要とな
りますので、非常に困難です。課
税することで、キャピタルゲイン
や国際投資に影響を及ぼしていき
ますし、結果、ビジネス環境が悪
くなっていきます。
もう1つビジネスについて大き
な問題点があります。それは環境
問題です。これは誰もが着目して
いる大きな問題です。美しい環境
を作りたい、地球温暖化に対して
何かをしなければという思いは皆
同じです。問題は、具体的に何を
どうするかということです。
カリフォルニアでは、環境にお
いて3つの大きな法律が可決され
ましたが、私はこれらの法律が、
カリフォルニアのビジネス環境に
とっては負の要素をもたらす可能
性があると見ています。簡単にこ
れらの法案がどのような悪影響を
与えるかをお話します。
1つ目の法案の問題点は、電力
の20%に再生可能エネルギーを使
うことを目的としたタイムスケジ
ュールを推進している点です。主要
な公共施設がそれを達成できない
状況にあり、結局は非常に高い電気
代をさらに引き上げることになっ
て、その高騰が各会社の生産に影響
を及ぼしていくと考えられます。
2つ目は電力源としての石炭使
用の禁止です。カリフォルニアで
は昨年は16%、2年前は20%の電
力を石炭から得ています。しかし、
この16 〜20%の電力供給が20 年
後になくなるとしたら、何で代用
できるのでしょう? 現在、代用
可能な電力は原子力と言われてい
ます。カリフォルニアではまだ準
備できていませんが、テキサスは
2機、メリーランドは1機、原子
炉が生産途中にあります。
最後のAB32 という法案は、温
室効果ガスを削減するというもの
です。非常に野心的な法案ですが、
これらは経済に大きく影響すると
見られています。具体的には二酸
化炭素と温室効果ガスを今後13 年
間で25%減らすというものです
が、カリフォルニアは今後13 年間
で人口が700 万増えることが予想
され、現状の3700 万人から4400
万人へと20%増加します。
この法案では、13 年という短期
間で25%の温室効果ガスを減らす
ことを目標としているのです。こ
れは私の見解では不可能と言えま
す。わかりやすいように例を挙げ
ましょう。温室効果ガスの51%は
交通機関によって排出されるもの
ですが、25%は電力業界、残りは
製造業や建設工事などです。仮に
今、すべてのカリフォルニアの住
民が自動車の運転を止めたとして
も、達成できない数字なのです。
私の予測では、数年後にはカリ
フォルニア経済を圧迫するため、
この法案は変更されるでしょう。
ローカルレベルで生活事情を改善
ザレンバーグ氏

「私たちの生活と密接な問題点を解決しましょう」と、ザレンバーグ氏
ローカルレベルで、今、カリフ
ォルニアのビジネスを改善できる
こと、長期で改善できることにつ
いてお話しましょう。
教育においては、私たちが投資
すべき対象を認識することが大切
です。まずは将来、優秀な労働者
になる人的資源、つまり、学生た
ちをしっかりと育てていかなけれ
ばなりません。優れた労働者を他
国から見つけ出すことは容易では
ありません。そういった意味で、
カリフォルニアでそういった人材
を探し、育てることが非常に重要
になってきます。
次に水とヘルスケア。まずは水
についてお話しましょう。私たち
の生活水は南カリフォルニアから
得ているのではなく、コロラド川
と半分は北カリフォルニアからで
す。北カリフォルニアからの供給
システムは既に100 年以上と古く、
災害に備えて見直しが必要です。
また、十分な水を蓄えるための貯
蔵庫が必要となってくるでしょ
う。
最後にヘルスケアについて触れ
てみましょう。保険は生きていく
上でとても大切なものですが、反
面、保険を持たない人の数も未だ
多いのが現状です。保険を持たな
い人は、大きく2つのカテゴリー
に分けられます。1つは単に余裕
がない人たち、いわゆる低所得者
と呼ばれる人です。もう1つは既
にガンや糖尿病などの病気を患っ
ている人です。
政府は今、保険を持たない人に、
できるだけ保険を提供できるよう
努めています。
▲ページトップへ