2008 年度USEJ プログラム
派遣教師のオリエンテーション開催
今年度USEJ 参加者と伊原総領事、塚本恭丈JNTO 所長およびJBA 教育部会メンバー
教育部会では、去る5月17 日、ホリデーイ
ン・トーランスにて「U.S. Educators to Japan
(USEJ)」プログラムにおいて、今年日本に派遣
する12 人の教師向けオリエンテーションを開催
した。当日は、前年日本に派遣された先輩教師の
講演や、昨年の様子をまとめたスライドの鑑賞な
どを行った。今年の参加者たちは、まだ見ぬ日本
に思いを馳せた。
USEJ プログラムは、日系企業の
駐在員子弟を受け入れている現地
校の教師らに感謝の意を表すと共
に、対日理解促進の目的で日本に
招待しようと1975 年から始まった
もので、今年で34 年目。昨年は欧
米5カ国14 都市から48 人が訪日
した。
今年南カリフォルニアから日本
に派遣されるのは、ダウンタウン
地区、オレンジ・カウンティー地
区、サウスベイ地区から各4人、
合計12 人のアメリカ人教育関係者
たちで、小中学校の教師が中心メ
ンバー。
午前8時30 分、司会進行を務め
る教育部会のアコ・ウィリアム嶋
田さんの合図で、オリエンテーシ
ョンが開始した。まずは、参加者
12 人の名前が順に読み上げられ、
1人ずつ起立し挨拶。続いて河崎
直哉・教育部会長が、関係者らへ
の労いと、派遣される12 人への期
待を込めて挨拶に立った。
続いて、昨年の派遣の模様を記
録したビデオ上映が始まった。
ビデオでは、日本到着から学校訪
問での授業風景や歓迎会、さらに
は着物の着付けの様子や、奈良、
広島などへ社会見学と観光、ホー
ムステイ先の家族との交流風景な
ど、全行程をドキュメントした動
画とスライドが流れた。
なかでも、小学校の給食風景は
非常に興味深いトピックだったよ
うだ。生徒自らが白衣をまとい、
食事を給仕するという日本独特の
教育スタイルは、同世代の子供を
教えるアメリカ人教師には少々奇
異に見える半面、生徒自身が食事
の支度や片付け、掃除などを担当
するシステムに感心しているよう
でもあった。
また、「おいで(Come on)」や
「さようなら(Bye)」を表すジェ
スチャーが日米で違うことなども
興味を引いたようだった。特に「お
いで」を意味する仕草は、日本で
は手の平を下に向けて相手を招く
が、アメリカでは手の平を上に返
して招く。しかし日本では、アメ
リカ人のジェスチャーが失礼に当
たることから、映像を観ながら練
習する参加者もいた。
参加者たちへの期待を述べる河崎部会長 新しい経験を期待する鈴木会長
昨年の派遣でグループリーダー
を務めたトーマス・ジェファーソ
ン小学校のエスター・サリナス校
長が壇上に上がり、自身の経験を
踏まえて、日本での生活や観光の
仕方、服装や財布の使い方、靴の
脱ぎ方や切符の買い方など、詳細
に説明した。
エスター校長は、「時差ぼけが残
る初日は早起きがしやすいため、
築地の魚市場に行くならその時で
す」「小銭が貯まりやすい日本の買
い物では、奈良で買った小銭入れ
がとても重宝しました」など、何
気ない経験から役立つ情報をわか
りやすく解説した。また、日本は
靴を脱いで家に上がることを事例
に挙げ、「日本人は家の中に入る
時、外向きに靴を脱いで上がりま
す。これは昔、侍がすぐに草履を
履いて出陣できるように、外向き
に脱いだことに始まります」と説
明すると、アメリカ人の参加者の
みならず、日本人スタッフも深く
感心していた。
また、「日本人は、料理の時も箸
を使います」や「アメリカへのお
土産は、風呂敷が喜ばれます」な
ど、日本人の観点からは思い付か
ない見解やアドバイスも飛び出し
た。特に「日本で道を尋ねた時は、
お礼に小さなキャンディーなどを
用意しておきましょう」といった
仰天アドバイスもあった。
次に、国際観光振興機構の塚本
恭丈所長が、日本の旅を楽しむ方
法を伝授。タクシーの扉は自動開
閉のため、手を触れなくてもいい
ことや、ホームステイ先で入浴す
る際、湯船の栓を抜かずに出てく
ることなど、日本の生活に慣れな
いアメリカ人がやってしまいがち
な失敗を説明していた。
カリフォルニア州立大学ロング
ビーチ校の名誉教授、瑛
よ うこ
子・プ
サワット先生が壇上に上がった。
まず先生は、日本人は頻繁にお辞
儀をする事例を取り上げ、参加者
たちも日本に行ったら数え切れな
いほどのお辞儀をするに違いない
と、会場を笑わせた。
なかでも1番盛り上がったのは
日常会話訓練。挨拶や自己紹介な
ど、日常のさまざまなシーンで使
う簡単な日本語を、声に出して練
習する。隣同士でペアを作って発
音や会話の練習をしたり、さらに
は先生と生徒で会話のやり取りを
するなど、いつもは教える立場の
参加者たちも、今日ばかりは生徒
になりきって大きな声で練習に励
んでいた。先生は、「『どういたし
まして』は発音しにくいから、『Don't
touch my mustache』と覚えてお
くといいですよ」と、冗談を飛ば
し、参加者らの笑いを誘っていた。
パワフルな日本語講座を開催した瑛子先生 知っている日本語を探す参加者
休憩を挟んで午後の部が開始し
た。別室に設けられ会場で、実り
ある派遣と参加者たちの安全を願
ってのレセプションを開催した。
会場には教育部会のスタッフを始
め、在ロサンゼルス日本国総領事
館の伊原純一総領事や鈴木康義
JBA 会長、塚本JNTO 所長、菅野
貢輝Japan Foundation 所長、昨年
の派遣スタッフらが集まった。
冒頭で鈴木会長が挨拶に立ち、
同プログラムの歴史や意義を英
語で簡単に説明、円滑な日米関係
にどれだけ役立っているかを述べ
た。また、「参加者の皆さんは日本
のことを色々と知っているでしょ
うが、実際に行ってみると、想像
とはまったく違う側面を見ること
ができるに違いありません」と、
参加者らの好奇心をくすぐった。
続いて伊原総領事が挨拶。政府
要人としての日米関係の重要性を
語った後、派遣期間がちょうど6
月末からという時期を受け、「ちょ
うどその頃、日本は梅雨に入って
います。湿度が高く、じめじめし
た天候が続くでしょう。特に近畿
地方の気候は、皆さんにとっては
かなりつらいかもしれませんから
ね」と、年中過ごしやすい南カリフ
ォルニアとはまったく違った日本
の気候を笑いを交えて説明した。
最後に、今年派遣されるメンバ
ーのグループリーダーを務めるボ
ールドウィン・ストッカー小学校
のナディア・ヒルマンさんが挨拶。
「日本での経験はとても貴重で、
かけがえのないものとなりそうで
す。こんなにステキなチャンスを
与えてくれて、JBA および関係者
の方々に感謝します」と、レセプ
ションの挨拶を締めくくった。
ゲストスピーチが終了し、各テ
ーブルに着いた参加者らは、同席
のJBA 会員や昨年の参加者らとラ
ンチを楽しみつつ、まだ見ぬ遠い
日本に思いを馳せた。
「日本の梅雨はつらいですよ」と笑いを誘った
伊原総領事 「貴重な経験に感謝します」と今年のリーダー、
ナディアさん
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